FX会社によっては、「ワンコイン(500円)から、取引可能」というように言われていますね。これは「噓」ではありませんが、現実的とは言えません。今回は、具体的にどれくらいの資金で、どのようなトレードができるのかを分かりやすく解説します。
FXってやってみたいけど、結構資金は必要なのかな?
低資金で取引できるって聞くけど、本当なのかしら?
FX会社のサイトを見ると、よく「低資金」から取引可能と言われていますね。
ですが疑う方も多いと思います。
「取引」と言えば、それなりの資金が必要なのでは? と思う方も多いでしょう。
また、初心者の方であれば、やはり資金は、あまり大きくはしたくないですね。
では、実際、どれくらいの資金で、どのようなトレードが可能なのでしょうか?
分かりやすく解説していきます。
FXをするために必要な資金は?
結論から言うと、数百円で取引することは可能です。
ですが、利益などを考慮すると、やはりある程度の「資金」は必要になります。
では、具体的にどれだけ資金があれば、どのようなトレードができるのでしょうか?
最低取引単位(ロット)とは?
まずは、「最低取引単位(ロット)}についてお話します。
取引は、自分の好きな単位で取引できるわけではありません。
FX会社によって、最低の単位が決まっています。
たいていのFX会社は、最低取引単位は「1000通貨」です。
また「必要証拠金」の額は、会社ごとに決まっています。
例えば、「Lion FX」では、2023年4月現在の「米ドル/円」の必要証拠金は5400円となっています。
※「必要証拠金」は時期によって、変動することがあります。
実際取引をする際、25倍のレバレッジがかかるので、「米ドル/円」で、1000通貨のトレードする場合、5400円あれば良いということです。
「DMM FX」では、最低取引額が1万通貨となっています。
必要証拠金が同額であれば、1万通貨で取引する場合、先の「米ドル/円」で、最低約5万4000円が必要です。
「SBIXトレード」と「松井証券FX」では、最低取引単位が「1通貨」からです。
自分の資金に合わせた会社を選択する必要がありますね。
じゃあ「ドル/円」で取引するなら、最低5400円あればいいのか!
と思うかもしれませんが、そうではありません。
なぜでしょうか?
ロスカットとは?
ここでは、詳しくお話しませんが、FXには「ロスカット」という仕組みがあります。
簡単に言えば、資金と必要証拠金が同額になった場合、強制的に決済される仕組みです。
つまり、5400円の資金で、5400円を必要証拠金としたトレードは事実上できません。
資金5400円=必要証拠金5400円 で同額になり、この時点で「ロスカット」されてしまうからです。
5400円を口座に入れても、「ドル/円」の場合、最低取引単位の1000通貨でトレードすることはできないのです。
1000通貨でどれだけ損益があるのか?
先ほど「1通貨単位」からトレードが可能と言いましたが、「1通貨」のトレードでは、ほどんど利益を出すことはできません。
では、たいていの会社が行っている「最低取引単位1000通貨」ならどうでしょうか?
「ドル/円」に限らず、1000通貨でトレードした場合、1円の変動で1000円の「損益」が出ます。
具体的に見てみましょう。
1ドル=138.26円(2022年11月現在)で、1000通貨で、売りポジションを建てた(売り注文をした)としましょう。
1ドル=137.26円になったら、1000円の損失が出ます。
逆に、1ドル=139.26円になったなら、1000円の利益が出ます。
上図は、2022年11月29日~30日のチャートです。
見てお分かりのように、1日の価格の変動は最大1.406円となっています。
もちろん、その日によって、この変動幅は違います。
この日に限って言えば、1000通貨のトレードで、最大1400円程度の損益が発生することになります。
139.323円のところで売りポジションを建てて、137.917円のところで決済をすれば、利益になります。
※ここでは、分かりやすいように「スプレッド」は考慮していません。
ただし、実際にこのように利益を取り切れるトレードは不可能だと思いますが。
1日単位で考えた場合、1000通貨でのトレードの「損益」は、数百円~1000円程度と考えて良いでしょう。
レバレッジは固定されている?
「最大25倍のレバリッジをかけられる」と言われますが、実際には、ほとんどのFX会社では、個人取引の場合、レバリッジは25倍に固定されています。
つまり、レバリッジを選ぶことはできません。
10倍・15倍のレバレッジでトレードすることはできないのです。
25倍のレバレッジでは、利益も大きいですが、損失や含み損も大きくなります。
そのため、少ない資金では、すぐに資金が尽きてしまうこともあります。
かといって、レバレッジは25倍に固定されています。
では、どうすればいいのでしょうか?
そこで、「実効レバリッジ」という考え方があります。
この考え方から、実際に必要な資金を算出することができます。
実効レバリッジとは?
実効レバリッジとは、「資金の約3倍の額で取引すると、安全圏ですよ」という考え方です。
「安全圏」というのは、余程のことがない限り、ロスカットされない金額ということです。
具体的に見てみましょう。
そんな、4万5000円も余裕がなくても大丈夫でしょ?
と思われる方も多いと思います。
確かに、1000通貨の取引で、4万円の損失を1度のトレードで出すことは、ほぼあり得ないことですから。
ですが、損しないトレードは無いとも言われます。
何度もトレードをするうちに、損失も大きくなる可能性もあります。
初心者で慣れないうちは、トレードで損失を出すケースも多いと思います。
まずは、この程度の水準でトレードして、慣れてきたら、実効レバリッジの倍率を上げる、という考え方もできます。
では、実効レバリッジを10倍にした場合はどうでしょうか?。
5万円・10万円の資金でできるトレードは?
トレードできる通貨ペアは様々です。
資金に合わせた通貨ペアを選ぶことも重要になります。
ここからは、資金が「5万円」「10万円」の場合、それぞれ、どんな通貨ペアで、どれくらいのトレードが可能なのかを、具体的に見ていきます。
ここでは、、実効レバレッジが3倍・10倍の場合で考えます。
資金5万円でできるトレードは?
資金が5万円の場合、実効レバレッジが3倍なら、15万円のトレードができます。
「米ドル/円」の場合は、1000通貨でトレードできました。
実効レバリッジ10倍なら、4000貨のトレードでした。
では、ここからは、「米ドル/円」以外の通貨ペアについても見ていきましょう。
「豪ドル/円」の場合
2023年4月現在、豪ドル1000通貨にかかる必要証拠金は、3600円です。(「Lion FX」の場合)
資金が5万円の場合で実効レバレッジ3倍なら15万円の取引ができます。
25倍のレバリッジがかかるので、実際に必要な証拠金は、
15万円÷25=6000円
となります。
1000通貨の取引には充分ですが、2000通貨の取引には7200円必要なので、ちょっと足りませんね。
2000通貨の取引にした場合では、
余裕となる資金額は、5万円ー7200円=4万2800円。
次に実効レバリッジを10倍した場合です。
この場合50万円のトレードができます。
レバレッジが25倍なので、実際の必要証拠金は、
50万円÷25=2万円
1000通貨の取引での必要証拠金は、3600円なので、
2万円÷3600円=約5.5
実効レバリッジを10倍以内にするならば、5000通貨の取引が可能になります。5000通貨の取引に必要な金額は1万8000円なので、
この場合の余裕資金は、5万円−1万8000円=3万2000円
ちょっとはみ出して、6000通貨の取引にした場合の余裕資金は、
5万円−2万1600円=2万8400円 となります。
「メキシコペソ/円」の場合
メキシコペソのように、日本円に対して、「価格」が低い通貨の場合、最低取引単位が「10000通貨」の会社は多いです。
ではどのようなトレードができるでしょうか?
「Lion FX」で、2023年4月現在、メキシコペソ10000通貨の必要証拠金は、3000円です。
実効レバリッジ3倍の15万円なら、レバレッジが25倍なので、
15万円÷25=6000円
となり、20000通貨のトレードができます。
資金の余裕分は、5万円−6000円=4万4000円 となります。
実効レバリッジ10倍の50万円の場合、
50万円÷25=2万円
2万円÷3000円=6.6
実効レバリッジを10倍以内にするなら、60000通貨のトレードができますね。
ここでも、ちょっとはみ出して70000万通貨の取引をすると、余裕資金は、
5万円−(3000円×7)=2万9000円 となります。
資金10万円でできるトレードは?
資金が10万の場合、実効レバリッジ3倍なら、30万円のトレードができます。
「米ドル/円」の場合なら、2000通貨のトレードが可能です。
では、また「豪ドル/円」「メキシコペソ/円」では、どれくらいになるでしょうか?
「豪ドル/円」の場合
実効レバリッジ3倍の30万円であれば、実際の必要証拠金は、
30万円÷25=1万2000円
1000通貨での必要証拠金は、3600円なので、
1万2000円÷3600円=3.3となり、
3000通貨の取引ができますね。
4000通貨の取引をした場合でも、必要証拠金は、
3600円×4=1万4400円となり、余裕資金は、
10万円−1万4400円=8万5600円。
実効レバリッジを10倍にすると、100万円のトレードができます。
実際の必要証拠金は、
100万円÷25=4万円です。
4万円÷3600=11.1 となり、
11000通貨の取引ができることになります。
余裕資金は、6万円です。
「メキシコペソ/円」の場合
実効レバリッジ3倍の30万円であれば、
30万円÷25=1万2000円 の必要証拠金が必要。
1万通貨の必要証拠金は、3000円なので、
1万2000円÷3000円=4となり、
40000通貨のトレードができますね。
余裕資金は、10万円ー1万2000円=8万8000円。
実効レバリッジ10倍の場合は、100万円のトレードができます。
実際の必要証拠金は、100万円÷25=4万円 となります。
取引できる通貨の額は、
4万円÷3000円=13.3
13万3000通貨の取引が可能です。
資金の余裕分は、6万円。
以上のように、資金に合わせて、「通貨ペア」を選んだり、「取引額」を変えることで、見込める「利益」は変わってきます。
ですが、あまり大きな金額でトレードをすると、その分「損失」も大きくはなります。
もちろん、例に挙げた「豪ドル/円」「メキシコペソ/円」だけでありません。
多くのFX会社では、20種類以上の「通貨ペア」があります。
自分の資金、または獲得したい「利益額」によって、いろいろと選択することができます。
まとめに代えて
以上、どのくらいの資金で、どのようなトレードが可能かをお話してきました。
まとめると以下のようになります。
- 数百円でトレードできる会社もあるが、それは1通貨からトレードできる会社に限られる
- 通貨によって、最低取引単位が違う
- 初心者の方は、実効レバリッジを低く設定したほうが安全
- トレードに慣れてきたら、実効レバリッジの倍率を増やす
- 自分の資金に合わせてトレードする「通貨ペア」を選択することもできる
- 日本円に対して、「安い通貨」は大きなトレードができるが、その分「損失」も大きくなる可能性がある
どのような資金で、どのようなトレードをするにしても、「利益」を出せなければ意味がありません。
実際にトレードをする前に、「デモ口座」でシミュレーションすることをお勧めします。
どのくらいの通貨量で、どのくらいの「損益」が出るのか、実際に確かめることは必要ですよ。
以下の会社では、「デモ口座」を開くことができます。もちろん「無料」です。
1分~2分程度で、すぐに開設することができますので、まずは「デモトレード」から始めてみてください。
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