「レンジ相場」は相場全体の7割を占めると言われています。残り3割が「トレンド相場」です。相場の大部分を占める「レンジ相場」について理解することは、トレードをする上で重要なことです。今回は、レンジ相場の意味、レンジ相場でのトレード法について解説します。
レンジ相場では、「逆張り」のトレード手法が主体になります。
ですが、逆張りは、初心者の方には難しいトレード手法だと言われています。
ですが、相場の7割を占めるレンジ相場について理解しておくことは重要です。
レンジ相場の意味や仕組みとは?
「レンジ相場」とは、簡単に言えば、相場の方向性が定まらず、一定の幅で上下を繰り返す相場のことです。
一般的に初心者の方にとって、レンジ相場でのトレードは難しいとされています。
ですが、相場の7割を占めているのが「レンジ相場」です。レンジ相場を無視していては、トレードの機会も少なくなります。
レンジ相場を攻略することは重要になります。
ではまず、レンジ相場の意味や仕組みについて詳しく見てみましょう。
レンジ相場とは?
レンジ相場とは、上図のように、ある一定期間、一定の値幅で、上下を繰り返す相場のことです。
レンジ相場はその見た目から、「ボックス相場」とも呼ばれます。
価格の上昇を予想する注文数と、下落を予想する注文数がつりあっている状態と言えます。
このように「売り」「買い」の注文がつりあっている状態のことを「持ち合い」という場合もあります。「持ち合い」と「レンジ相場」は同じ意味です。
レジスタンスライン・サポートラインとは?
レジスタンスライン・サポートはレンジ相場を見極めるために引くラインです。
レジスタンスラインは、上値抵抗線とも呼ばれ、高値と高値を結んだラインです。
サポートラインは、下値支持線とも呼ばれ、安値と安値を結んだラインです。
このラインは、取引ツールで、インジケーターを使って、自分で引くことができます。
(下図参照)
下図は、ローソク足のチャートに、それぞれのラインを引いたものです。
下図のように、レジスタンスラインとサポートラインは「平行」になっていなくても構いません。
また、高値同士、安値同士をつなげるように引きますが、あまり厳密に引く必要もありません。
さらに、チャートを「ローソク足」から「ライン」に変更したものが下図です。
この方が、見やすいかもしれません。
どちらの図にも、「レンジブレイク」とあるのが分かると思います。
では、「レンジブレイク」とは何でしょうか?
レンジブレイクでのトレード法とは?
レジスタンスラインを上に突き抜ける、サポートラインを下に突き抜けることを「レンジブレイクト」と言います。
「レンジブレイク」が見られると、トレードのサインだと言われます。
上図のように、サポートラインを下にブレイクすると、下降トレンドに転換することがあり、「売り」のサインとなります。
逆に、レジスタンスラインを上にブレイクすると、上昇トレンドに転換することがあり、「買い」のサインとなります。
レンジの期間が長く、上下の繰り返しの回数が多いほど、ブレイクした後のトレンドの勢いは大きくなりやすいです。
ブレイクの方向を予測?
レンジブレイクが、レジスタンスラインを抜けるか、それともサポートラインを抜けるかは、発生しないと正確には分かりませんが、「予測」することは可能です。
予測方法、それは、ローソク足がラインにタッチした回数です。
上の図で分かる通り、レジスタンスラインへのタッチ回数が多い場合、レジスタンスラインを抜けて、価格が上昇する可能性は高くなります。
逆に、サポートラインをタッチする回数の方が多いと、サポートラインを抜けて、価格が下落に向かう可能性が高くなります。
ローソク足がレジスタンスラインを抜ければ、上昇トレンドが発生する可能性があるので、そのトレンドに乗って「順張り」で「買い」注文します。
ブレイクしたからといって、100%トレンドが発生するわけではないので、「ダマシ」にあった場合を想定して、「損切り」に備えることも大事です。
レンジ相場の種類とその意味とは?
レンジ相場にも種類があります。
以下の2つです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
中段持ち合い
「中段持ち合い」とは、相場が上昇や下降を続けた後、「休憩」状態に入ったような相場です。
これからも同じトレンドが続くだろう、と見ているものの、新しい材料を待っている状態と言えます。
図の左は、「下降」の後に発生し、右では、「上昇」の後に発生しています。
「下降後」の中段持ち合いは、下にブレイクする可能性が高く、「上昇後」の中段持ち合いは上にブレイクする可能性が高いです。
大底・天井とは?
「大底」とは、さらに下がることを「ためらっている」状態、「天井」は、さらに上がることを「ためらっている」状態です。
トレンドがずっと続くことはありません。
下降トレンドの後は「大底」に、上昇トレンドの後は「天井」になる傾向があります。
「中段持ち合い」に比べて、大きなトレンド転換に移行する可能性が高いです。
レンジ相場でトレードするには?
ここまで、レンジ相場を「ブレイク」した場合のトレードについてお話してきました。
では、レンジ相場中にトレードはするべきではないのでしょうか?
ブレイクするまで待つべきなのでしょうか?
ここからは、レンジ相場中のトレード法と、そのデメリットについてお話します。
レンジ相場では「逆張り」?
レンジ相場でトレードする場合は、上図のように、価格の反転を見越して、売買を繰り返す、「逆張り」を行うことになります。
つまり、サポートラインにタッチする前に、価格が上昇することを見越して「売り」。
レジスタンスラインにタッチする前に、価格の下落を見越して「買い」、という注文を繰り返し行います。
レンジ相場でトレードするデメリットその1
レンジ相場でトレードするデメリットの1つ目として、「初心者の方には難しい」ということが挙げられます。
この記事は、「上級者」向けではなく、「超初心者または初心者」の方向けなので、この点は「デメリット」として挙げたいと思います。
初心者の方には難しい理由は2つあります。
必ずしも、価格が、レジスタンスライン・サポート付近で転換するとは限りません。
また、レジスタンスライン・サポートが自分で引くラインです。分析に有効なラインを引くこと自体、「慣れ」や「勉強」が必要です。
そのような要因もあり、レジスタンスラインやサポートラインから離れた所で、転換する場合もあります。
ですから、転換を上手く予想することが難しいのです。
多くのFX記事では、初心者の方はまず「デイトレード」から始めることを勧めていますので、「デイトレード」をする初心者の方は多いと思います。
デイトレードで逆張りをする場合は、チャートを観察するまとまった時間が必要です。
レンジ相場では、価格の変動幅が小さいので、目を離した隙に、転換してしまうかもしれないからです。
日中仕事や家事で、長い時間チャートを見る時間が取れない方には、そもそも不向きなトレード法なのです。
レンジ相場でトレードするデメリットその2
価格の変動幅が小さいため、大きな利益は見込めない。
上の図のレジスタンスラインとサポートラインの間の価格変動は、0.178円です。
このように、レンジ相場は、一定の値幅を繰り返すため、価格の変動が小さく、大きな利益は見込めません。
スキャルピング(数分単位で注文を繰り返す)の手法であれば、小さな利益を積み重ねて、利益を大きくすることもできます。
ですが、スキャルピングであれば、やはりチャートに張り付く時間が多くなります。
以上、「レンジ相場」の意味やトレード法について解説しました。
「レンジ相場」は相場全体の7割を占めると言われます。
レンジ相場中にトレードしなければ、相場の7割を捨てることにはなります。
ですが、レンジ相場中でトレードするリスクやデメリットを考慮した場合、「ブレイク」を待って、トレンドで勝負する方が、利益も出しやすく、安全なトレードができます。
初心者の方は、レンジ相場では、様子見にして、「ブレイク」を待つことをお勧めします。
ブレイクにも「ダマシ」があるので、注意が必要ですが。
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