FX会社によっては、「ワンコイン(500円)から、取引可能」というように言われていますね。でも実今回は、具体的にどれくらいの資金で、どのようなトレードができるのかを分かりやすく解説します。

FXってやってみたいけど、結構資金は必要なのかな?
低資金で取引できるって聞くけど、本当なのかしら?

FX会社のサイトを見ると、よく「低資金」から取引可能と言われていますね。
ですが疑う方も多いと思います。
「取引」と言えば、それなりの資金が必要なのでは? と思う方も多いでしょう。
また、初心者の方であれば、やはり資金は、あまり大きくはしたくないですね。
では、実際、どれくらいの資金で、どのようなトレードが可能なのでしょうか?
分かりやすく解説していきます。
- FXで取引をする場合の注意点が分かる
- 最低必要な資金が分かる
- 「取引額」によって「損益」がどれくらい出るか分かる
- 通貨ペアによって「取引額」や「資金」が変わることが分かる
FXをするために必要な資金は?

結論から言うと、数百円で取引することは可能です。
ですが、利益などを考慮すると、やはりある程度の「資金」は必要になります。
では、具体的にどれだけ資金があれば、どのようなトレードができるのでしょうか?
最低取引単位(ロット)とは?
まずは、「最低取引単位(ロット)}についてお話します。
取引は、自分の好きな単位で取引できるわけではありません。
FX会社によって、最低の単位が決まっています。
たいていのFX会社は、最低取引単位は「1000通貨」です。
つまり、「米ドル/円」でトレードする場合、
1ドル=138.26円(2022年11月現在)とすると、
138.62×1000=13万8620円 必要になります。
ですが、実際には25倍のレバレッジがかかるので、
必要な金額は、13万8620円÷25=約5500円
となります。
「DMM FX」では、最低取引額が1万通貨となっています。
1万通貨で取引する場合、先の「米ドル/円」で、最低約5万5000円が必要です。
「SBIXトレード」と「松井証券FX」では、最低取引単位が「1通貨」からです。
自分の資金に合わせた会社を選択する必要がありますね。
ちなみに、トレードする際は、「ロット」が単位となります。
最低取引単位が1000通貨の会社の場合は、1ロット=1000 となります。
最低取引単位が10000通貨の会社では、1ロット=10000円 となるので、この違いは考慮しておく必要があります。

じゃあ「ドル/円」で取引するなら、5500円あればいいのか!
と思うかもしれませんが、そうではありません。
なぜでしょうか?
ロスカットとは?
ここでは、詳しくお話しませんが、FXには「ロスカット」という仕組みがあります。
簡単に言えば、資金と必要証拠金が同額になった場合、強制的に決済される仕組みです。
つまり、5500円の資金で、5500円を必要証拠金としたトレードは事実上できません。
資金5500円=必要証拠金5500円 で同額になり、この時点で「ロスカット」されてしまうからです。
5500円を口座に入れても、「ドル/円」の場合、最低取引単位の1000通貨でトレードすることはできないのです。
1000通貨でどれだけ損益があるのか?
先ほど「1通貨単位」からトレードが可能と言いましたが、「1通貨」のトレードでは、ほどんど利益を出すことはできません。
では、たいていの会社が行っている「最低取引単位1000通貨」ではどうでしょうか?
「ドル/円」に限らず、1000通貨でトレードした場合、1円の変動で1000円の「損益」が出ます。
具体的に見てみましょう。
1ドル=138.26円(2022年11月現在)で、1000通貨で、売りポジションを建てた(売り注文をした)としましょう。
1ドル=137.26円になったら、1000円の損失が出ます。
逆に、1ドル=139.26円になったなら、1000円の利益が出ます。

上図は、2022年11月29日~30日のチャートです。
見てお分かりのように、1日の価格の変動は最大1.406円となっています。
もちろん、その日によって、この変動幅は違います。
この日に限って言えば、1000通貨のトレードで、最大1400円程度の損益が発生することになります。
139.323円のところで売りポジションを建てて、137.917円のところで決済をすれば、利益になります。
※ここでは、分かりやすいように「スプレッド」は考慮していません。
ただし、実際にこのように利益を取り切れるトレードは不可能だと思いますが。
1日単位で考えた場合、1000通貨でのトレードの「損益」は、数百円~1000円程度と考えて良いでしょう。
レバレッジは固定されている?
「最大25倍のレバリッジをかけられる」と言われますが、実際には、ほとんどのFX会社では、個人取引の場合、レバリッジは25倍に固定されています。
つまり、レバリッジを選ぶことはできません。
10倍・15倍のレバレッジでトレードすることはできないのです。
25倍のレバレッジでは、利益も大きいですが、損失や含み損も大きくなります。
そのため、少ない資金では、すぐに資金が尽きてしまうこともあります。
かといって、レバレッジは25倍に固定されています。
では、どうすればいいのでしょうか?
そこで、「実効レバリッジ」という考え方があります。
この考え方から、実際に必要な資金を算出することができます。
実効レバリッジとは?
実効レバリッジとは、「資金の約3倍の額で取引すると、安全圏ですよ」という考え方です。
「安全圏」というのは、余程のことがない限り、ロスカットされない金額ということです。
具体的に見てみましょう。
資金が5万円だとしましょう。
実効レバリッジが3倍ということは、
5万円×3=15万円のトレードとなります。
現在1ドル=138.26円なので、
15万円だと、15万円÷138.26円=約1000ドル
つまり、5万円の資金の場合、1000通貨の取引をするなら「安全圏」ということになります。
実際、25倍のレバレッジをかけるので、必要となる証拠金は、
138.26円×1000通貨=13万8260円
の1/25なので、13万8260円÷25=約5500円 となります。
これなら、約4万5000円の資金を「含み損」や損失に備えて残しておくことができますね。

そんな、4万5000円も余裕がなくても大丈夫でしょ?
と思われる方も多いと思います。
確かに、4万円の損失を1度のトレードで出すことは、ほぼあり得ないことですから。
ですが、損しないトレードは無いとも言われます。
何度もトレードをするうちに、損失も大きくなる可能性もあります。
初心者で慣れないうちは、トレードで損失を出すケースも多いと思います。
まずは、この程度の水準でトレードして、慣れてきたら、実効レバリッジの倍率を上げる、という考え方もできます。
では、実効レバリッジを10倍にした場合はどうでしょうか?。
資金が5万円の場合、実効レバリッジを10倍とすると、
5万円×10倍=50万円のトレードができます。
50万円÷138.26円=3000ドルで3000通貨のトレードができます。
この場合、必要な証拠金は、
138.26×3000通貨=約41万5000円
約41万5000円÷25=約16600円 となります。
5万円ー16600円=3万3400円の資金が「余裕分」となります。
これを多いとするか少ないとするかは、あなた次第です。
5万円・10万円の資金でできるトレードは?
トレードできる通貨ペアは様々です。
資金に合わせた通貨ペアを選ぶことも重要になります。
ここからは、資金が「5万円」「10万円」の場合、それぞれ、どんな通貨ペアで、どれくらいのトレードが可能なのかを、具体的に見ていきます。
ここでは、、実効レバレッジが3倍・10倍の場合で考えます。
資金5万円でできるトレードは?
資金が5万円の場合、実効レバレッジが3倍なら、15万円のトレードができます。
「米ドル/円」の場合は、1000通貨でトレードできました。
実効レバリッジ10倍なら、3000通貨のトレードでした。
では、他の通貨ペアではどうでしょうか?
「豪ドル/円」の場合
2022年12月現在、1ドル=91.77円です。
資金が5万円の場合で実効レバレッジ3倍の15万円なら、15万円÷91.77円=約1600ドル
となります。最低取引単位が1000通貨なら、1000通貨のトレードまで、となりますね。
必要証拠金は、91.77円×1000ドル=9万1770円
9万1770円÷25=約3700円 となります。
余裕となる資金額は、5万円ー3700円=4万6300円。
実効レバリッジを10倍にすれば、50万円のトレードができます。
50万円÷91.77円=約5400ドル となり、
5000通貨のトレードができます。
この場合の必要証拠金は、91.77円×5000ドル=約45万9000円
約45万9000円÷25=約1万8300円 となります。
余裕分の資金は、5万円ー1万8300円=3万1700円。
「メキシコペソ/円」の場合
メキシコペソのように、日本円に対して、「価格」が低い通貨の場合、最低取引単位が「10000通貨」の会社は多いです。
ではどのようなトレードができるでしょうか?
2022年12月現在、1ペソ=6.93円です。
実効レバリッジ3倍の15万円なら、15万円÷6.93円=約21000ペソ
となり、20000通貨のトレードができます。
この場合の必要な証拠金は、6.93円×20000ペソ=13万8600円
13万8600円÷25=約5600円
資金の余裕分は、5万円÷5600円=4万4600円 となります。
実効レバリッジ10倍の50万円の場合、
50万円÷6.93円=約7万2000ペソ。
70000通貨のトレードができますね。
必要な証拠金は、6.93円×70000ペソ=約48万5000円。
約48万5000円÷25=約1万9500円 となります。
余裕の資金額は、5万円ー1万9500円=3万500円。
資金10万円でできるトレードは?
資金が10万の場合、実効レバリッジ3倍なら、30万円のトレードができます。
「米ドル/円」の場合なら、2000通貨のトレードが可能です。
では、また「豪ドル/円」「メキシコペソ/円」では、どれくらいになるでしょうか?
「豪ドル/円」の場合
現在、1ドル=91.77円。
実効レバリッジ3倍の30万円であれば、30万円÷91.77ドル=約3200ドルとなります。
3000通貨の取引ができますね。
この場合の必要な証拠金は、91.77円×3000ドル=約27万5000円
約27万5000円÷25=約11000円 となります。
余裕資金額は、10万円−約11000円=8万9000円 です。
実効レバリッジを10倍にすると、100万円のトレードができます。
100万円÷91.77ドル=約10800ドルで、10000通貨のトレードができます。
必要証拠金は、91.77ドル×10000ドル=約91万7000円
約91万7000円÷25=約3万6600円 となります。
資金の余裕額は、10万円ー約3万6600円=約6万3000円。
「メキシコペソ/円」の場合
現在、1ペソ=6.93円。
実効レバリッジ3倍の30万円であれば、30万円÷6.93円=約43000ペソとなります。
40000通貨のトレードができますね。
必要な証拠金は、6.93円×40000ペソ=約27万7000円
約27万7000円÷25=約11000円
余裕資金は、10万円ー約11000円=約89000円。
実効レバリッジ10倍の場合は、100万円のトレードができます。
100万円÷6.93ペソ=約14万4000ペソで、10万通貨の取引ができます。
この場合の必要な証拠金は、6.93円×10万ペソ=693000円
693000円÷25=約2万7800円。
資金の余裕分は、10万円ー約2万7800円=約7万2200円。
このトレードの場合、1円の変動で、10万円の「損益」が起こります。
例えば、1ペソ=6.93円の時に、値上がりを予想して、買いポジションを建てたとします。
予想に反して、0.722円安くなり、1ペソ=6.208円まで、下落した場合、
約7万2200円の「含み損」が発生します。
このトレードでの余裕資金は約7万2200円でした。
こうなると、資金額7万2200円と「含み損」が同額となり、「ロスカット」が発動してしまいます。
以上のように、資金に合わせて、「通貨ペア」を選んだり、「取引額」を変えることで、見込める「利益」は変わってきます。
ですが、あまり大きな金額でトレードをすると、その分「損失」も大きくはなります。
もちろん、例に挙げた「豪ドル/円」「メキシコペソ/円」だけでありません。
多くのFX会社では、20種類以上の「通貨ペア」があります。
自分の資金、または獲得したい「利益額」によって、いろいろと選択することができます。
まとめに代えて
以上、どのくらいの資金で、どのようなトレードが可能かをお話してきました。
まとめると以下のようになります。
- 数百円でトレードできる会社もあるが、利益が見込めない
- 通貨によって、最低取引単位が違う
- 初心者の方は、実効レバリッジ3倍程度でトレードした方が安全
- トレードに慣れてきたら、実効レバリッジの倍率を増やす
- 自分の資金に合わせてトレードする「通貨ペア」を選択できる
- 日本円に対して、「安い通貨」は大きなトレードができるが、その分「損失」も大きくなる可能性がある
どのような資金で、どのようなトレードをするにしても、「利益」を出せなければ意味がありません。
実際にトレードをする前に、「デモ口座」でシミュレーションすることをお勧めします。
どのくらいの通貨量で、どのくらいの「損益」が出るのか、実際に確かめることは必要ですよ。
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