超初心者の方でも分かるように、FXの基本の基本「外国為替取引」やFXで「利益」が出る仕組み、また基本的な取引の手法について解説します。
株式投資で儲けている人の割合は約20%と言われています。反面、FXで儲けている人の割合は40~60%と言われています(2022年5月現在)
これからの資産運用の方法の一つとして、「FX」は注目されています。
ですが、いざ始めてみようかと思っても、その「仕組み」や「取引の仕方」が分からない方も多いと思います。
今回は、FX取引の「超基本」の部分を解説します。
- 外国為替の基本が分かる
- FXの取引の基本が分かる
- ポジションの基本について分かる
- スワップポイントの基本が分かる
- 基本的な取引手法が分かる
FXで利益が出る仕組みとは?

FXとは、「Foreign Exchange」の略です。日本語でいうと「外国為替取引」と言います。
ですが、最近では「外国為替証拠金取引」という意味に使われることが一般的です。「外国為替取引」とは区別されています。
FXで利益を出す仕組みは、
- キャピタルゲイン
- インカムゲイン
の2通りです。今回は、この2つについて、分かりやすく解説します。
では、「キャピタルゲイン」についてお話する前に、
FXの基本の基本「外国為替取引」とは何かについてお話します。
「外国為替取引」とは?
あなたがハワイに旅行に行くとしましょう。
ハワイにいくなら、日本の円をドル(USドル)に替えなければなりませんね。
「1ドル=100円」なら、1000ドルを100,000円で交換できます。
「1ドル=50円」なら、1000ドルを50,000円で交換できます。

「交換」という言葉を使っていますが、これを「買う」と言いかえても行為としては同じことですね。
このように、通貨を買ったり、売ったりすることを「外国為替取引」と言います。
FXの基本は、この「通貨の売買」」です。
この「通貨の売買」で利益を出すことを、「キャピタルゲイン」と言います。
では、その仕組みについて詳しく見ていきましょう。
キャピタルゲインで利益を出す
「通貨の売買」つまり、通貨を「安い時に買って、高い時に売る」ことによって発生した差益のことを、「キャピタルゲイン」と言います。
このキャピタルゲインが、FXで利益を出す基本的な方法です。
ではキャピタルゲインは、どのように発生するのでしょうか?
今「1ドル=50円」だとしましょう。そして、あなたはこう考えます。

「そのうち1ドル=150円になる(円安・ドル高)はずだ」と。
つまり、ドルが高くなるだろうと予想するわけです。ではどうするか?
ドルが安いうちにドルを買います。今なら「1ドル=50円」なので、50円で1ドルが買えます。
そして、あなたの予想通り「1ドル=150円」になった。あなたはここで1ドルを売って、150円を買います。
すると「100円」儲けることができるのです。
仕組みは実に簡単ですね。
FXでは、通貨の売買の際に、「ポジション」という言葉を使います。
FXを理解するための重要な「用語」のひとつなので、ここからは「ポジション」という言葉を使って、キャピタルゲインの仕組みをお話します。
ポジションとは?
「ポジション」という言葉は普通、「位置」「場所」という意味で使われますが、
FXでは、「(ある)通貨を買っている状態」あるいは、「(ある)通貨を売っている状態」のことを「ポジション」と言います。
FXの場合、この「ポジション」を持っているだけでは、利益や損失は発生しません。
持っているだけでは、「含み益」「含み損」(架空上の「利益」や「損益」)はありますが、
「決済」することで、「含み」ではない実際の損益が決定します。
持っているポジションを決済することを、「ポジションクローズ」と言います。
FXで新規に取引する場合、以下の2つポジションのどちらかからでも、スタートすることができます。
- ロングポジション(買いポジション)
- ショートポジション(売りポジション)
例えばロングポジション(買いポジション)から選択した場合、
「買いポジションを建てる」という言い方をします。
ロングポジション(買いポジション)を建てる場合、通貨を売ることで、決済されます。
逆に、ショートポジション(売りポジション)を取った場合、通貨を買い戻すことが決済になります。
このように「決済」することで、実際の「損益」が確定するのです。
では、2つのポジションについて、詳しく見ていきましょう。
ロングポジションとは?
ロングポジションとは、「買いポジション」のことです。
例えば、「米ドル/円」の通貨ペアの場合、外貨である米ドルを買っている状態になります。

例えば、「ドル安・円高」の時に、「買いポジション」を建てた場合、「ドル高・円安」の時に、米ドルを売るという決済(ポジションクローズ)をすると、その差の分だけ利益になります。
さらに具体的に言うと、こういうことです。

「1ドル=100円」の時に、ロングポジション(買いポジション)を建てた場合、「1ドル=110円」になった時に売る、という決済をすることで、10万円の利益を得ることができます。
つまり、この差益で出た10万円の利益が「キャピタルゲイン」と言われるわけです。
この説明では、実際に100万円の現金が必要なように思えるかもしれませんね。
ですが、実際には100万円の現金は必要ありません。
「証拠金」という、FX独特のシステムです。
「証拠金」にレバリッジを効かせることで、実際に必要な資金はもっと少なくてもいいのです。
ちょっと説明すると、4万円の「証拠金」さえがあれば、最大25倍の100万円分の取引が可能になります。
この「証拠金」と「レバリッジを効かせる」ということが、FXの最大の特徴と言われています。
では次に、ショートポジションについて見てみましょう。
ショートポジションとは?
ショートポジションとは、「売りポジション」のことです。
外貨である米ドルを売っている状態です。

「ドル高・円安」の時に、米ドルを売るという、ショートポジションを建てた場合、「ドル安・円高」になった時に、買い戻すという決済(ポジションクローズ)をすることで、その差の分だけ利益になります。
さらに具体的に言うと、こういうことです。

「1ドル=100円」の時に、1万ドルのショートポジション(売りポジション)を建てていると、100万円分持っていることになります。
「1ドル=90円」になった時に、1万ドルを買い戻す、という決済をした時、今度は90万円分しかかかりませんね。
つまり10万円の利益が出たことになります。
ここで、疑問が出ると思います。
「持ってもいないドルをどうやって売るのか?」
これがFXの特徴です。持ってもいないドルを「空売り」することができるのです。
つまり、実際に持っていない1万ドル(100万円分)を売って、1ドル=90円になった時に、
1万ドル(90万円分)を買い戻すことで、10万円の利益を生むことができるのです。
ドルをFX会社から借りて売って、後で買い戻して返す、というイメージでいいと思います。
とはいえ、1万ドル分の日本円100万円は必要です。
ですが、先ほどお話した、25倍のレバレッジを効かせるのなら、
4万円の証拠金だけあればいいのです。
※今回は、話を分かりやすくするため、「スプレッド」については考慮していません。
先ほども言いましたように、FXでは、投資をロングポジション・ショートポジションのどちらから始めるのかを選ぶことができます。
近々「ドル高・円安」に転じるな、と思えば、ドル買いのロングポジションから、
近々「ドル安・円高」になるな、と思えば、ドル売りのショートポジションから始めればいいのです。
ロングポジション(買いポジション)から始めるとしても、実際に100万円の現金が必要ではありませんし、
ショートポジションから始めるにしても、実際に1万ドルを持っている必要もありません。
これらFXならではの特徴が、FXを気楽に始められる要因でしょう。
以上、ポジションを上手に建てることで、キャピタルゲインという利益を得る仕組みは、分かって頂けたかと思います。
次に、「インカムゲイン」で利益を出す仕組みについてお話します。
インカムゲインで利益を出す
「インカムゲイン」とは、「スワップポイント」という、購入した通貨のペアの金利差から発生する利益のことです。
例えば、売買するペアの通貨が、日本円とメキシコペソの場合、
日本の金利と、メキシコの金利の「差」によって、利益を出すことができる、ということです。
詳しく見ていきましょう。

メキシコの政策金利は8.5%、日本の金利は-0.1%です。(2022年8月現在)
その差は、8.6%となります。
スワップポイントを得るためには、金利が高い方のメキシコペソで買いポジションを建てます。
この状態を、1日以上保持していると、スワップポイントを受け取れます。
では、どれだけの利益が期待できるのでしょうか?
実際受け取れる金額は?
受け取れるスワップポイントは、政策金利の差と完全に一致はしていません。
また、FX会社によってスワップポイントが異なります。
さらに、同じ会社であっても、スワップポイントが変動する場合もあります。
例えば、某社の場合(2022年9月現在)。
メキシコペソ/日本円で、10万通貨の取引をした場合で、147円が得られます。
※どの会社でも、メキシコペソの場合は10万通貨単位でのスワップポイントを提示しています。
仮に、スワップポイントの変動がなく、ペソ買いのポジションを、1年間保持すると、
147円×365日=53655円
の利益を受け取ることができます。
では、10万通貨の買いポジションを建てるために、それだけの資金が必要か見てみましょう。
どれだけ資金が必要か?
メキシコペソで、10万通貨の買いポジションを建てるためには、
1ペソ=7.2円(2022年10月現在)なので、72万円の証拠金が必要になります。
ですが、これは、「レバレッジ」が1倍の場合。
レバレッジは最高25倍まで建てられるので、25倍のレバリッジを建てた場合、必要な証拠金は、1/25の約3万円以下となります。
ここで、疑問が出ると思います。
スワップポイントなら「必ず稼げるのでは?」
確かに、ペソの買いポジションを1年間保持するだけで、
53655円得られるのですから。
でも、そう簡単でもないのです。
スワップポイントのデメリット
スワップポイントは確かに、「長期的な投資」として、安定感があるように思えますが、当然デメリットもあります。
ここからは、スワップポイントのデメリットを3点お話します。
①マイナスになる場合もある
メキシコの金利が下がり、日本の金利が上がって、その差が「逆転」した場合、マイナスのスワップポイントが発生して、ポイント分を支払うことになる場合もあります。
また、金利が低い日本円を買いポジションにして、金利が高いメキシコペソを売りポジションにしても、マイナスのスワップポイントが発生します。
わざわざ、金利の安い日本円を買いポジションにするか?
と思うかもしれませんが、そうしなければならない局面があるのです。
②為替の変動で損をする
2022年10月現在、1ペソ=7.2円ですが、これは必ず変動します。
これが、例えば1ペソ=6円というように「ペソ安・円高」になる可能性もあります。
この場合、ペソを買いポジションにしていると、12万円の「含み損」が発生します。
では、「またペソ高になるまで待っていればいいのでは?」
と思って、そのまま様子見にすることもあるでしょう。
ですが、意に反して、ペソ安が進むと「含み損」も大きくなります。
あるところまで損失が大きくなると「ロスカット」が発動して、強制的に「決済」されてしまい、実際に損失を出してしまうかもしれません。
③ カントリーリスクが高い場合
メキシコやトルコなど、いわゆる「新興国」の金利は比較的高いので、スワップポイントも獲得しやすい傾向にあります。
ですが、このような国は「カントリーリスク」が高いと言われています。
カントリーリスクとは、政治・経済・社会情勢などに起因するリスクのことです。
つまり、国内情勢が不安定な国ほど、金利や為替の変動も大きく、注意が必要である、ということです。
基本的な取引手法とは?

ここからは、
- 基本的な取引手法
- 4つのトレード手法
についてお話します。
FXの基本的な「取引手法」とは?
どのような「取引手法」を用いるにしても、相場の「流れ」を捉えてることが大切です。
そして、その「相場の流れ」に合わせた適切なトレード(取引)を行う必要があります。
「相場」には以下の2種類があります。
レンジ相場とは、一定の値幅(レンジ)で推移している相場のことです。
「ボックス相場」とも言います。
レンジ相場は、相場の7割を占めていると言われています。
トレンド相場とは、一方向のトレンド(方向性)が出ている相場のことです。
為替相場では、価格は上がったり、下がったりしますが、
上がり続ける相場や下がり続ける相場を、トレンド相場と言います。
一般的には、「トレンド相場」の方が利益を出しやすい、と言われています。
相場に対して、どのような取引を仕掛けるかによって、その名称が異なります。
基本的には、次の2種類に分けられます。
「順張り」と「逆張り」
「順張り」とは、相場のトレンドに合わせる取引方法です。
トレンドが発生したとき、また発生後の初期か中期に、トレンドが発生している方向にポジションを建てる、という手法です。

順張りは、「トレンドの波に乗る」ような形で、利益を伸ばせるので、比較的「安心な」取引手法と言えます。
ですが、トレンドの発生を匂わせた後に、逆行する「ダマシ」や、反転後の大きな「逆行」に飲まれる恐れがありますので、警戒も必要です。
「逆張り」とは、相場のトレンドに逆らう取引方法です。
トレンドの終了時、または発発生後の後期に、トレンドが発生している向きとは逆の方向にポジションを建てる、という手法です。
トレンドの発生後は、反転し大きく逆行することもあります。

逆張りは、トレンドの終わりを見極めて取引を行うので、トレンド終了後の大きな反転の「値幅」を取ることができます。
ですが、ポジションを建てた後でも、トレンドが継続してしまった場合、
または、レンジ相場に移行してしまい、大きな「値幅」が発生しなかった場合には、損失が発生したり、利益があまり得られない、ということも起きます。
※上の図にある「レジスタンスライン」とは、高値のメドを示すラインです。
「サポートライン」とは、「これ以上は下落しないだろう」と考えられるラインです。
どちらの取引方法が良いのか?
上昇トレンド・下降トレンドは、一度発生すると、一定の期間はその方向に動き続ける傾向があります。
そのため、レンジ相場よりトレンド相場で取引する方が、シンプルであり時間的な効率も良いと言われます。
トレンドの発生は、オシレーターやインジケーターといった「テクニカル指標」で察知することができます。
とはいえ、完璧に察知することはできないので、レンジ継続やトレンドの逆行、といった「ダマシ」のも注意する必要があります。
FXのトレード手法4つ
FXのトレード手法は基本的に以下の4つに大別されます。
- スキャルピング
- デイトレード
- スイングトレード
- ポジショントレード
エントリー(新規のポジションを持つこと)からクローズ(決済)までの「時間(期間)の長さ」によって区別されています。
生活リズムや性格、投資の方針などを考慮して、自分に合ったトレード手法を見つけることが大切です。
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
スキャルピングとは?
短時間に何度も売買を繰り返す手法です。
数秒から数分という短い時間でのトレードでは、一度に数pipsから数十pipsの利益にしかなりませんが、トレードを何度も繰り返すことで、大きな利益を獲得することを狙います。
ただし、常に相場を見ていなけばいけません。
日中は仕事で、相場を見ることができない人には難しいトレード手法です。
デイトレードとは?
数十分から1日単位でトレードする手法です。
スキャルピングに比べて、長い時間ポジションを持つことになります。
一回のトレードで得られる利益は、比較的大きくなります。
日をまたいでポジションを持つことはしないので、日またぎリスクも排除でき、比較的安心してトレードできます。
スイングトレードとは?
2日~5日の間でトレードする手法です。
デイトレードより、長くポジションを持つことになります。
一度のトレードで狙える値幅や利益も大きくなります。
また、スキャルピング・デイトレードに比べて、相場を常に見ている必要もありません。
日中仕事をして、トレードの時間が限られている人には、お薦めの手法と言えます。
ですが、大きな利益が狙える分、損失も大きくなる可能性もありますので、注意が必要です。
ポジショントレードとは?
1週間以上の期間で売買する手法です。また、スワップポイント狙いもからめ、年単位でポジションを持ち続けることも視野に入れたものです。
当然、トレード機会は少なくなりますが、一度に狙える利益はかなり大きくなります。
また、スワップポイントによって、安定した利益を得ることも可能です。
ですが、エントリー前に充分な分析が必要になるなど、初心者にはハードルが高いトレード手法と言えます。
ただし、長期的な戦略を立てることができるので、短期のトレードに比べて「ストレス」は小さくなります。
以上、FX取引の基本の基本についてお話しました。
実際に取引をする前に、知っておいた方が良い知識はたくさんあります。


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