FXの取引の場面で、理解しておいた方が良い用語に「pips」があります。今回は、pipsの意味と、pipsが使われる理由について分かりやすく解説します。
「pips」は、FX取引において、重要な用語の一つです。初心者の方は、実際、取引をする前に知っていた方が良いでしょう。
「pips」とは?
pipとは、percentage in point の略で、FXでは通貨の共通単位として使われています。
pipsはその複数形です。
pipsは、以下の2点で使われます。
- スプレッドの単位
- 通貨の変動幅を表す単位
詳しく見ていきましょう。
スプレッドの単位で使う
ここでは、「スプレッド」については、詳しくお話しませんが、スプレッドとは、通貨の売買をする際の差額で、FXでトレードする場合にかかる「コスト」のことです。
この「スプレッド」がいくらなのかを、「pip」を使って表すことがあります。
1pipがいくらなのかは、取引する「通貨ペア」にとって異なります。
初心者の方が、取引する場合は、決済通貨が「円」の場合が多いでしょう。
なので、1pip=1銭、と考えて良いと思います。
よく「わが社のドル/円のスプレッドは0.2銭!」と宣伝しています。
この場合、0.2銭=0.2pipsと同じことです。
通貨の変動幅を表す単位
pipは、為替レートが変動した際の、変動幅を表す単位としても使われます。
例えば、1ドル=148.00円から、1ドル=148.01円に変動した場合、
「1銭動いた」とは言わず、「1pip動いた」と表現します。
1ドル=148.03になれば、「3pips動いた」と言います。
逆に、ドルが下がり、1ドル=147.08円になった場合でも、「2pips動いた」と言います。
そして、FXでは、トレードで発生した「損益」を、この「pips」を用いて計算します。
具体的に計算してみましょう。
「ドル/円」で、10000通貨のトレードをして、10pips獲得したとしましょう。
10pips×0.01円×10000通貨=1000円の利益
逆に10pips失った場合は、
ー10pips×0.01円×10000通貨=ー1000円(1000円の損失)
と、計算することができます。
なぜpipsを使うのか?
このように、トレードでpipsを使う理由は2つあります。
1つ目の理由~分かりやすいから
FXは、様々な通貨ペアを、様々な単位量で取引します。
なので、どの通貨でも使える「単位」が必要でした。
その結果「pips」が生まれたということです。
取引の手法によっては、数秒・数分単位で取引されます。
その場合の値動きは、「コンマ何銭」と非常に小さくなります。
pipsには、小数点以下がないので、分かりやすくなる、ということなのです。
2つ目の理由~「投資効率」が分かりやすくなるから
例えば、Aさん、Bさんの両方が、トレードで1万円の利益を上げたとしましょう。
利益は同じ1万円ですが、「投資効率」を考えた場合、違いが出てきます。
FXでは、トレードできる通貨量は、持っている「資金」によって違ってきます。
上の例の場合、Aさんは、Bさんより「小さな資金」と「小さな通貨量」で、より多くのpipsを獲得しています。
つまり、同じ利益を得たにも関わらず、Bさんの方が、「投資効率」は優れています。
FXで「投資効率」を測るには、「いくら儲けたか」より「何pips獲得できたか」ということが大事である、と言えます。
pipsを使うときの注意点とは?
初心者の方にとっては、「pips」は分かりにくいかもしれません。
ですが、慣れていくと「投資効率」を測る上で、とても便利な単位です。
ですが、pipsを使わない方が良いこともあります。
それは、pipsを使って「損切り」のラインを決めてはいけない、ということです。
理由は、トレードで保有している「通貨量」によって、1pips当たりの「損益」が変わるからです。
トレードをしていると、その時々で、相場の状況も違えば、許容できる損失額も違ってきます。
あくまでも、許容できる損失から、損切りラインを設定したほうが良いでしょう。
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