テクニカル指標のひとつで、オシレーター系に属する「RSI」。今回は「RSI」の意味、また、トレードでの活用方法について、分かりやすく解説します。
「RSI」は、「Relative Strength Index」の略で、「相対力指数」と訳されます。
簡単に言えば、「売られ過ぎ」「買われ過ぎ」を判断するためにテクニカル指標です。
「移動平均線」「MACD」「ボリンジャーバンド」などと共に有名な指標なので、初心者の方も理解しておいた方が良いものです。
今回は、「RSI」の意味やトレードでの活用方法についてお話します。
「RSI」の意味やトレードでの活用方法とは?
「RSI」は、オシレーター系のテクニカル指標のひとつとされています。
「オシレーター系」は、いわゆる「逆張り」のトレードで活用される指標とされていますが、「RSI」は「逆張り」と「順張り」の両方で活用できます。
では詳しく見てみましょう。
「RSI」の意味は?
「RSI」は先にも言いましたように、「売られ過ぎ」「買われ過ぎ」という「相場の過熱感」を示すものです。
0%~100%の間で変動し、0%の近いほど「売られ過ぎ」、100%に近いほど「買われ過ぎ」を表します。
RSIでは、基本的に30%を下回ると「売られ過ぎ」、70%以上になると「買われ過ぎ」と判断します。
以下のように、「逆張り」のサインとして使います。
RSIの計算式とは?
RSIの計算式は以下の通りです。
計算式は簡単なので、RSIの仕組みを知るために、計算式の理解は必要です。
例えば、期間が14日間とします。
この期間の上昇幅が70円、下落幅が50円だとしましょう。
この場合、RSI=70÷(70+50)=約0.58=58%
次に、上昇幅が80円、下落幅が30円だとしましょう。
この場合、RSI=80÷(80+30)=約0.72=72%
もうひとつ見てみましょう。
上昇幅が30円、下落幅が80円だとしましょう。
この場合、RSI=30÷(30+80)=約0.27=27%
となりますね。
つまり、14日間の上昇幅の合計が、下落幅より大きければ大きいほど、パーセンテージは大きくなり「買われ過ぎ」となります。
逆に、下落幅の合計が、上昇幅の合計より大きければ大きいほど、パーセンテージは小さくなり「売られ過ぎ」となります。
もっと言えば、「買いの勢い」が強いほど、RSIのパーセンテージは大きくなります。
逆に、「売りの勢い」が強ければ、RSIのパーセンテージは小さくなります。
このことは、後述する「トレードでの使い方」で、大切になるので覚えていてください。
設定期間は?
設定期間には、特に決まりがあるわけではありません。
RSIの開発者であるJ.Wワイルダー氏によれば、「あらゆるものに、28日周期がある」とのことです。
ですから、その半月である「14日間」に設定することが一般的になっています。
取引ツールでは、14日間がデフォルトの状態ですので、そのまま使えばよいでしょう。
トレードでの使い方は?
SRIで見られる現象には以下の2通りあります。
- ダイバージェンス
- リバーサル
この2つを理解することは、RSIを使用するうえで重要です。
詳しく見てみましょう。
ダイバージェンスとは?
ローソク足では、直近の高値または安値を更新したのに、RSIは更新していない、
といった形で、ローソク足の動きと、RSIの動きが「逆行」している現象を「ダイバージェンス」と言います。
ダイバージェンスはトレンドの転換を示している、と言われています。
上の図では、チャートでは高値を更新しているのに、RSIは逆に下降しています。
これは、「上昇トレンド」が終了し、「下降トレンド」に転換することを示しています。
ではなせ、ダイバージェンスはトレンド転換のサインと言えるのでしょうか?
先ほど、「計算式」のところで、「買いの勢い」が強ければ、RSIのパーセンテージは大きくなる、
「売りの勢い」が強ければ、RSIのパーセンテージは小さくなる、とお話しました。
上の図では、価格が上昇しているにもかかわらず、RSIは下降、つまりパーセンテージは小さくなっています。
これは何を意味するのか?
「買いの勢い」が弱くなりつつあり、「売り勢い」が強くなりつつある
ということを意味しているのです。
つまり、「買いの勢い」がどんどん弱まり、「売りの勢い」がどんどん強くなることで、この後、「下降トレンド」に転換する、ということが予想されるのです。
上図と逆に、価格が下落している(安値を更新している)のに、RSIが安値を更新した(パーセンテージが上がっている)場合は、「売りの勢い」が弱まり、「買いの勢い」が強まりつつある、と判断でき、「上昇トレンド」への転換のサインとされます。
つまり、「買い」のサインと受け取れます。
とはいえ、100%転換する、というわけではないので注意が必要です。
テクニカル指標はひとつだけでは、「ダマシ」に会いやすく、信頼性も低い傾向にあります。
リバーサルとは?
RSIだけが、安値を更新しているが、ローソク足では、上昇トレンドを継続している。
または、RSIだけが、高値を更新しているが、ローソク足では、下降トレンドが継続している。
という現象を「リバーサル」と言います。
上図では、価格は上昇し続けていますが、RSIは安値を更新しています。
つまり、RSIのパーセンテージが小さくなっています。
リバーサルが見られたら、強いトレンドの継続を示している、と言われます。
ではなぜ、「リバーサル」がトレンドの継続を示している、と言えるのでしょうか?
これも、先ほどに「計算式」で考えられます。
RSIのパーセンテージは小さく
この場合は、トレンドに乗った「順張り」のトレードをしましょう。
RSIのパーセンテージが小さくなるということは、下落幅が大きくなったことを意味します。
この場合も、下落幅が大きくなったので、パーセンテージが小さくなり、安値を更新しています。
ですが、価格は上昇し続けています。
これは何を意味するのか?
価格を下落させるほど、強い「売り」が行われていない。
ということを意味しています。
つまり、「売り」は出ているものの、その「勢い」は小さく、価格のトレンドに影響していない。
だから、トレンドは継続すると考えられる、ということになります。
リバーサルが確認できた場合は、トレンドに乗ってトレードする「順張り」が良いでしょう。
以上、「RSI」の意味や使い方について、解説しました。
今回の記事は、「RSI」について理解してもらうために書いたもので、「RSIを使ったらトレードで勝てますよ」という記事ではありません。
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