FXでは、株式の取引より注文の方法が多彩です。今回は、実際に取引を始める前に知っておいた方が良い「取引の種類」と「取引の方法」について詳しく解説します。
FX取引では、様々な注文方法があります。
これらの注文方法を使い分けることで、チャンスを逃すことなく取引ができます。
FXでは、「成行注文」「指値注文」「逆指値注文」の3つを組み合わせることで、様々な「注文予約」をすることができます。
今回は、「予約注文の方法」を中心にお話していきます。
注文方法の種類とその違い
FX注文の主な種類は以下の7つです。
これらの注文の全部が分からなければ、上手く取引ができない、ということもありません。
ですが、一通り理解しておくことも大切です。
では詳しく見ていきましょう。
成行注文とは?
成行注文とは、今すぐ取引を始めたい時に使う注文方法です。
レートを見て、「今すぐ買いたい」「今すぐ売りたい」という場合、成行注文を使います。
分かりやすいので、初心者の方は、この方法で取引を始めると良いでしょう。
成行注文で、ひとつ注意が必要なのが、「スリッページ」が発生する可能性があることです。
インターネットを介した、現在の取引では、約1秒もあれば、約定されます。(売買が成立することを「約定」と言います)
ですが、相場は秒単位で変動することもあるので、約定処理が完了するまでの間に、価格が変動する場合があります。
つまり、自分が取引したいと思った価格と違ってしまうことがあります。
この価格差を「スリッページ」と言います。
次からは、「予約注文」の仕組みについてお話します。
指値注文(リミット注文)とは?
指値注文とは、現在の価格より、下落したら「買う」、上昇したら「売る」というように、「有利な状態」になったら、注文を約定させる方法です。
指値注文には、以下の2通りの場面で使います。
- 新規の注文(新規エントリー)
- 決済
新規注文の場合から見ていきましょう。
例えば、現在の価格が1ドル=100円だとします。
99円になったら、ドルを買いたいと考えたなら、99円まで下落したら「買う」という指値注文しておけば、ドルが99円になった時点で、注文が約定され、買いポジションが建ちます。
決済の場合
今度は、ドルが101円になったら、ドルを売りたいと考えたなら、101円まで上昇したら「売る」という指値注文をしておけば、ドルが101円になった時点で、決済されます。
上の図を見ると、新規注文と決済注文が、同時にできるように勘違いされるかもしれませんが、両方の注文を同時にできるのは、「IFD注文」「IFO注文」「トレール注文」だけです。
逆指値注文(ストップ注文)とは?
逆指値注文とは、指値とは「逆」に、現在の価格より、上昇したら「買う」、下落したら「売る」というように、一見「不利な状態」で注文を約定させる方法です。
また、逆指値注文は、自分の予想が外れた場合、損失が拡大することを防いでくれます。
そのため、逆指値注文は、「ストップ注文」「損切注文」とも呼ばれています。
損失を拡大させないで、安心して取引ができるので、初心者の方は、押さえておいた方が良い注文方法です。
逆指値注文の場合以下の2通りの場面で使います。
- 新規の注文(新規のエントリー)
- 決済(損切り)
新規注文の場合からみていきましょう。
例えば、現在「1ドル=100円」だとします。
今後、さらにドルが上昇すると予測した場合、101円まで上昇したら買いたいと考えます。
価格が上昇したら「買う」ということは、一見「不利な状態」に思えますが、
「このまま上昇トレンドがしばらく続くだろう」と推測したなら、このような買い方になります。
(「トレンド」とは、「相場の方向性」を意味します)
101円まで上昇したら「買う」という逆指値注文をしておけば、ドルが101円になった時点で注文が約定して、買いポジションが建ちます。
次に、決済の場合です。
初心者のうちは、相場予想も難しく、「損失」も出しやすいものです。
例えば、「1ドル=99円」の時に、「成行注文」で、売り注文ポジションを建てたとします。
予想に反して、ドルが上がった場合、「101円以上高くなったら、損失が大きくなって大変だ」と考えたなら、
「101円で損切りしよう」と決めます。
そして、「101円になったら買う」という逆指値注文を予約します。
価格が上がったら「買う」ということは、一見「不利な状態」ですが、「損失」を拡大させないためには、必要なことです。
ドルが101円になった時点で、注文が約定して、「損切り」が確定します。
次の例です。
「1ドル=101円」の時に、「成行注文」で買いポジションを建てたとします。
予想に反して、ドルが下がった場合、「99円以上安くなったら、大変だ」と考えたなら、
「99円で損切りしよう」と決めます。
そして、「99円になったら売る」という逆指値注文を予約します。
ドルが99円になった時点で、注文が約定し、「損切り」することができます。
初心者の方の場合、この「損切り」ができない人は多いのです。
「成行注文」では、なかなか「損切り」ができず、「損失」を拡大させてしまうケースも多々あります。
ですが、FX取引では、「損切り」できるということは、利益を獲得するために必要なことです。
このように、逆指値で予約注文しておくことで、思い切って「損切り」ができます。
先にも言いましたように、FXでは「成行注文」「指値注文」「逆指値注文」を組み合わせることで、様々な「予約注文」ができます。
ここからは、さらに複雑かつ便利な「予約注文」の方法についてお話します。
OCO注文とは?
OCO注文とは、「One Cancels the Order」の略です。
「価格が上昇した場合」と「価格が下落した場合」の2つの場面を想定して、2通りの予約注文を同時にできて、どちらかが成立したら、もう一方の注文が自動的にキャンセルされる注文方法です。
OCOは以下の2つの場面で使うことができます。
- 新規の注文(新規のエントリー)
- 決済注文
まず、「新規の注文」から具体例を見ていきましょう。
現在、「1ドル=100円」とします。
「1ドル=99円」まで下落したら「買い」(指値注文)。
「1ドル=101円」まで上昇したら「売り」(指値注文)と考えて、両方の注文を出します。
「買い」の注文が約定した場合、買いポジションが建ち、「売り」の注文はキャンセルになります。
次に、「決済」の場合を見てみましょう。
例えば、今100ドルで、買いのポジションを建てているとします。
「101円になったら売る(決済する)」(指値注文)という注文と、
「99円になったら売る(決済する)」(逆指値注文)という注文を出したなら、
101円になったら、「101円で売る」という決済が発動して、「99円で売る」という決済はキャンセルとなります。この場合「利益」が確定します。
逆に、99円になったら、「99円で売る」という決済が発動して、「101円で売る」という決済はキャンセルされます。この場合「損切り」になります。
IFD注文(イフダン注文)とは?
「OCO注文」では、2通りの「新規注文」を予約することができますが、どちらかの注文が約定して、「ポジションが建つ」までは、「決済注文の予約」はできません。
IFD注文とは、「IF Done」の略で、「もし〇〇になったら、〇〇する」という意味です。
この注文では、新規注文と決済注文(「利食い」または「損切」)をワンセットにして、同時に出すことができます。
例えば、現在値が「1ドル=100円」として、
1.ドルが99円まで下落したら、買いポジションを建てる。
2.101円まで上昇したら、売り決済をする。
この2つを同時に予約することができます。
IFDで、注意することがあります。
それは、決済が「利益確定」か「損切り」かのどちらか一方しか予約できないことです。
上の例のように、予想通り価格が上がって決済するなら、利益は確定します。
逆に、予想がはずれて、価格が下落した場合、「含み損」が発生します。
この例では、「利益確定」の予約しかできません。
「損切り」するには、「手動」で決済する必要があります。
ですが、チャートも見ないでいた場合、「含み損」に気づかず、「損失」が拡大してしまうケースも考えられます。
ですから、IFDで注文をする場合、決済は「損切り(逆指値)」で予約して、利益が出たら「手動」で決済したほうが無難と言えます。
IFO注文とは?
IFO注文は、「OCO注文」と「IFD注文」の2つを合わせたような注文方法で、1つの新規注文と、2通りの決済注文を同時に予約することができます。
ですから、取引の画面では「IFD-OCO」と表示されることもあります。
例えば、現在値が「1ドル=101円」だった場合、
1.100円まで下落したら、買いポジションを建てる。
2-1.102円に上昇したら、売り決済をする
2-1.98円に下落したら、売り決済をする
この3つの注文を同時に予約することができます。
102円に上昇した場合は、決済が約定して「利益が確定」し、「98円の注文」はキャンセルされます。
「予約注文」は非常に便利であることが分かって頂けたと思います。
実際に、トレードしている人の実に90%以上が、「予約注文」を活用していると言われています。
ですが、ここまで読まれた方には、次のような疑問を持たれる方もいるでしょう。
設定した価格にならなかったら、どうなるのかしら?
「トレール注文」の前にこの疑問についてお話します。
予約注文のデメリット
設定した価格にならなかった場合、約定しないので、いつまでたっても取引が開始されない、ということが起こる可能性があります。
これでは、何のためにFXをしているのか分からないですね。
「予約注文」はとても便利ですが、このような「デメリット」もあるのです。
闇雲に価格に設定しても、いつまでも約定しないのであれば意味がありません。
チャートなどを分析し、「根拠のある」価格設定をすることが大切です。
特に、決済の場合は注意が必要です。
例えば、99円で買いポジションを建て、102円になったら決済する予約をしたとします。
このとき、101.99円までは上昇したのに、その後、下落してしまい「利益」を取り逃がした。
というケースも考えられるのです。
予約したから「安心」というわけではない、ということです。
やはり、できるだけチャート分析の時間を作ることが大事になってきます。
トレール注文とは?
「トレール」とは、「追従する」という意味です。
トレール注文とは、レートの上昇幅・下落幅に合わせて、自分で設定した決済時の「逆指値注文レート」を、自動的に追従(トレール)させていく、という注文方法です。
具体的に見てみましょう。
1ドル=100.50円のとき、新規の買いポジションを建てます。
「トレール幅」を50pips(0.5円=50銭)に設定したとします。
この幅設定によって、現在、決済される価格は100円です。
予想通り、価格が上昇したとします。
上昇するレートを「追従」するように、決済価格も上がっていきます。
このとき、設定した「50pips(0.5円=50銭)の幅をキープしたまま上がっていきます。
ですので、レートが102円まで上昇した場合、決済価格も101.50円まで上昇することになります。
この後、トレンドが反転して、レートが下がった場合でも、一度上がった決済レートは下がりません。
下落が、決済価格である「101.50円」までに達すると、ここで決済され「利益が確定」します。
このように、トレンドの反転時に決済することができるので、利益を伸ばすのに適している注文方法と言えます。
初心者の方お勧めの注文方法とは?
以上、「予約注文」について、お話しました。
「予約注文」はとても便利なものですので、ご自分のトレードスタイルや生活スタイルに合わせた「予約注文」をしてみてはいかがでしょうか?
初心者の方は、まず「成行注文」「指値注文」「逆指値注文」について、しっかり理解してから、OCO注文、IFD注文などをしてみることをお勧めします。
なぜなら、先にも言いましたように、すべての「予約注文」は、「成行注文」「指値注文」「逆指値注文」の組み合わせに過ぎないからです。
また、推測が甘ければ、利益が小さくなったり、大きな損失が出る場合も大いにあります。
注文を予約をする前には、充分な相場分析が必須です。
とはいえ、初心者の方にとっては、何をどう分析すればいいのかさえ、分からないと思います。
まずは、「デモ口座」を開いて、練習してみることをお勧めします。
こちらのFX会社では、「デモ口座」を開くことができます。
デモ口座で、トレードのシュミレーションしてみることをお勧めします。
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