空には太陽があるのが当たり前ですよね。でも、その太陽にも生まれた時があったのです。そして、太陽の周りを地球を入れて8個の惑星がまわっています。今回は、太陽がどのようにして生まれたのか、また、太陽の周りをまわっている惑星がどのようにしてできたのかをお話します。
太陽はどうやって生まれた?
太陽は、およそ46億年前に生まれたと言われています。では、太陽はどのようにして生まれたのでしょうか?
重力によって「つぶ」が集まった
宇宙には、星と星の間に「星間物質」というものがあります。そのほとんどが星間ガスで、ガスはおもに、水素やヘリウムでできています。
この水素やヘリウムが引っ張り合って、どんどんくっついて大きな塊になっていきます。
この塊が大きくなるにつれて、その「重力」も大きくなります。すると、さらに星間ガスが集まり、「星間分子雲」が出来上がります。
コラム 重力でつぶが集まるしくみとは?
ちょっとここで、「重力」についてお話します。
これは、アインシュタインの「一般相対性理論」のお話です。
重さがある物を置くと、置いた所は「ゆがみ(へこみ)」ます。
アリ地獄にアリが落ちていくように、その「ゆがみ」に向かって、物同士は近づきます。(写真①)
物が、運動すると「重力」は「波のように」広がっていきます。この波を「重力波」と言います。(動画①)
この「重力」によって、小さなつぶが集まり、より大きなものになっていきます。
かなり簡単にお話しましたが、これが、アインシュタインの考えた「重力のしくみ」です。
では太陽の話にもどりましょう。
コア(核)ができる
この「星間分子雲」の中心が、どんどん圧縮されて、その密度は大きくなります。
そうして、100倍以上の密度になった中心部分を「分子雲コア」と言います。
分子雲コアは、回転しながら周りのチリやガスを自分に引き込みます。そして自分の重さによって、どんどん収縮していきます。
これを繰り返すことによって、太陽はどんどん「大きく重く」成長していくのです。
やがて、中心部に高温の塊ができます。
このような生まれたばかりの星を「原始星」と言います。
そして、太陽の原始星のことを、特別に「原始太陽」と呼びます。
「星間分子雲」ができてから、この「原始太陽」になるまでに、数百万年の時間がかかっています。
そして「太陽」は恒星になる
原子太陽では、「核融合反応」が起こるようになりました。この「核融合反応」により、太陽は熱を出し、光がかがやくようになり、
「恒星」になったのです。
※「恒星」とは、自分のエネルギーでかがやくことができる星のことです。
太陽は、太陽系にあった「星間物質」の99.86%を使って出来上がりました。
残りの0.14%の物質で、地球などの「惑星」が作られることとなります。
コラム 核融合反応ってなに?
太陽が持つエネルギーの大きさはすさまじいものです。このエネルギーは「核融合反応」によって作られています。
では、核融合反応とはなんでしょうか?
※ここからは、むずかしい話なので、ざっくりお話します。
正確な話にはなりませんが、「核融合反応」をイメージすることはできます。
星が高温度・高密度になると、その星が持っている水素原子がヘリウム原子に変わります。
水素原子が4つ合体して、ヘリウム原子が1つできた場合、水素原子が4つ合体分の質量より、ヘリウム原子1つの質量の方が軽くなります。
物の質量は、勝手に減ったり、増えたりできません。水素原子4つの質量はそのままでなければいけません。(このことをむずかしい言葉で「質量保存の法則」と言います)
ですから、ヘリウム原子1つは、水素原子4つ分の質量を持っていなければいけません。
では、減ってしまった分は、どこへ行ってしまったのでしょうか?
消えてなくなったりはしません。ちゃんとあるのです。
この減った分が、「エネルギー」に変わっているのです。
水素原子が、ヘリウム原子に変わるとき、質量が減ってしまう。その減った分は消えたりしない。減った分はエネルギーに変わる。
これが「核融合反応」のしくみです。
太陽は燃えていない?
実は、太陽は燃えているわけではありません。先ほどお話した「核融合反応」によって生まれた、すごい量のエネルギーを、熱と光として放出しているのです。
ではどれくらいのエネルギーなのでしょうか?
さきほど、「減った質量はエネルギーに変わる」と言いました。太陽の質量は1秒間に420万t減っています。この420万tがエネルギーに変わっています。
これは、1京t(1兆の10000倍)の石油を燃やした時のエネルギーと同じです。イマイチ想像がつかないかもしれませんが。
これほどのエネルギーを放出しているので、太陽が燃えているように見えるのです。
惑星はどのようにしてできたのか?
水・金・地・火・木・土・天・海・冥(すいきんちかもくどってんかいめい)。私が小さいころは、太陽系の惑星をこんなふうにおぼえました。今もそうなのでしょうか?
冥王星は「準惑星」ということになりましたので、太陽系の惑星は今は8つになりました。
では、太陽ができた後、どのようにして惑星が生まれたのでしょうか?
ここからはそんなお話です。
太陽の「残り物」からできた
先ほどもお話しましたが、太陽系にあった物質の99.86%は太陽が使いました。残りの0.14%の物質から惑星は生まれたのです。
この残った物質は、太陽の周りに円盤のように広がりました。この円盤を「原始惑星系円盤」と言います。
太陽の周りをまわるガスやチリが集まって、「微惑星」(小さな惑星)というかたまりになります。
その数は「無数」です。微惑星といってもその直径は数㎞もあります。
この微惑星が、お互いに引き合い、衝突して、溶けて、くっついて、かたまる。
これを何度も繰り返して、しだいに大きなかたまりになっていきます。
そして、特に大きなかたまりになったものが「惑星」になったのです。
惑星にも種類がある
惑星ができた場所が、太陽からどれくらい離れているかによって、惑星に違いがあります。
太陽から近い、水星・金星・地球・火星は、おもにチリが固まってできた惑星で「岩石惑星」と呼ばれます。
その外側の木星・土星は、おもに水素やヘリウムといった「ガス」でできているので、「巨大ガス惑星」といいます。
さらに外側の天王星・海王星は、水素、アンモニアなどでできているので、「巨大氷惑星」と呼ばれています。
「コラム」の部分が長くなってしまいましたが、「太陽系がどのようにできたのか」分かってもらえたでしょうか?
では、今回の話はおしまい。
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