地球は太陽のおかげで明るいですよね。でも宇宙が暗い映像を見たことはあるでしょう。太陽があるのになぜ宇宙はくらいのでしょうか?また、宇宙空間に宇宙服を着ないで出てしまうと人間はどうなってしまうのでしょう? 今回は「宇宙空間」の不思議について小学生にも分かるようお話します。
太陽の光で、明るいはずなのに、どうして宇宙は暗いんだろう?
宇宙服を着ないで宇宙に出たら、死んじゃうのよね?
宇宙空間は、特別な場所です。ですから地球上ではありえないことが起こります。今回は、宇宙空間とはどんなところなのか?というお話です。
太陽があるのに宇宙が暗いのはなぜ?
地球は太陽の光に照らされて、昼間は明るいですね。ですが宇宙に出ると、太陽の光はあるはずなのに、上の写真のように暗いですね。
どうしてなのでしょうか?
それは、宇宙には「粒」が少ないので、光が反射されず、まわりを照らさないから、なのです。
詳しくお話しますね。
地球にいると明るいのはなぜ?
それでは、地球上はなぜ明るいのでしょうか?
私たちが住んでいる地球では、太陽の光をいろいろな物が反射しています。
私たちが「物が見える」のは、光が「物」に当たり、光が反射されて「目に届く」からです。
上の図のように、建物が光を反射するから、「建物が見える」のです。
地球には、空気があって、空気中には「小さなチリ」や気体の粒などがたくさん浮かんでいます。
太陽の光が、これらに当たって、いろいろな方向に反射されます。
この光が、建物や海、地面などに当たって、さらにいろいろな方向へ反射されます。
こうして散らばった光が、私たちの周りを照らしているのです。
光が反射しているから、私たちの周りは「光」であふれているのです。
宇宙空間はなぜ暗い?
では、太陽の光があるはずの宇宙が、どうして暗いのでしょうか?
宇宙には空気はありませんが、チリなどがあり、全く何もない世界ではありません。
ですが、地球に比べて大変少ないので、光をいろいろな方向に散らばしてくれる物がないのです。
上の図のように、宇宙ステーションや地球は、光を反射するので、私たちの「目」には見えます。
ですが、宇宙空間には光を反射するものがほとんどないので、光は反射されることなく「素通り」してしまい、周囲を照らすことはありません。
だから、宇宙空間の「光」は私たちの「目」には届かず、真っ暗にしか見えないのです。
宇宙空間に出るとどうなる?
次に、宇宙服を着ないで宇宙空間に出たら、人間はどうなる?というお話です。
宇宙服も着ないで宇宙に出たら、空気がないからやっぱり死んじゃうでしょ?
当然そうなりますね。でも、死んでしまう原因はそれだけではないのです。宇宙空間が特別だからこそ起こることがいろいろあるのです。
お話の内容がちょっと物騒ですが、「死んでしまう」原因を詳しくお話していきます。
気圧が0に近いから?
地球には空気があるので、「気圧」というものがあります。
1気圧は1m2の広さのところを10tで押すくらいの大きな力です。そんな大きな力がかかっているのに、人はなぜ、押しつぶされてしまわないのでしょうか?
気圧押しつぶされないように、人の内臓(肺など)が、同じ大きさの「力」を外に向けて出しているからなのです。この力を「内圧」と言います。
では、宇宙に出たらどうなるのか?
宇宙には空気がないので、気圧はほぼ0です。人にかかる「力」はなくなります。ですが、「内圧」だけは残っているので、肺などの内臓はどんどんふくらんでしまいます。
そして、ふくらみすぎた内臓は「壊れて」しまうでしょう。そうなると、人は生きてはいられませんね。
体の水分が「ふっとう」するから?
地上では、水が沸騰する温度は100℃ですね。これは地上の気圧が「1気圧」だからです。
ですが、「気圧」がほぼ0の宇宙ではどうなるのか?
水はもっともっと低温度で沸騰します。どれくらいかというと、人の体温より低い温度で沸騰するのです。
つまり、宇宙では人の体にある水分涙や唾液(つば)、血液などが、沸騰してしまいます。
水分は沸騰すると、体積が1000倍以上になります。それにつれて「体」がふくらみます。
体は皮膚におおわれているので、すぐに破裂することはありません。
ですが、水分がすべて「水蒸気」になってしまうので、とうぜん、血も流れなくなり、脳に酸素が送られることがなくなります。
そして、意識はなくなり、宇宙に出てから数分後には死んでしまうでしょう。
さいごには、その体からは水蒸気となった「水分」がすべて噴き出して、人の体は「干からびて」しまいます。
今回のお話はこれでおしまい。
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