~今、妊娠されている方へ~妊娠すると、「食べてはいけない物」についていろいろと調べることもあるでしょう。しかし、たくさんあって困ることはないですか? 今回は、「食べてはいけない5つの食品」と「食べてはいけない理由」について科学的に解説します。
食べちゃいけないものって、結構あるのねえ。気をつけるのが大変だわ💦
このように思われている方は多いのではないでしょうか?少しでも「リスク」があるなら、確かに食べない方が良い物もありますね。
ここでは、「絶対に食べてはいけない5つの食品」と「食べてはいけない理由」について解説します。
・食べてはいけない5つの食品が分かる
・食品と病気の関係が分かる
・リステリア菌について分かる
・トキソプラズマ症について分かる
食べてはいけない5つの食品とその理由
ここからは、「食べてはいけない5つの食品」と「リステリア菌による食中毒」「トキソプラズマ症」の関係についてお話します。
食べてはいけない5つの食品
- ナチュラルチーズ(加熱殺菌していないもの)
- 生ハム
- 肉や魚のパテ
- スモークサーモン
- 生肉
これらの5つの食品は、厚生労働省も食べないことを推奨しています。少量なら良い、というわけではなく、「全く食べない」ということです。
それはなぜか?
これら5つの食品を食べると、お腹の中の赤ちゃんが、微生物に感染する恐れがあるからです。
リステリア菌による食中毒
リステリア菌は、川や動物など、普通の生活の中によくいる菌です。ではなぜ、「ありふれた菌」を恐れる必要があるのでしょう?
妊娠さんは、普通の人よりも、およそ20倍リステリア菌による食中毒にかかりやすいからです。
そして、感染すると流産につながったり、赤ちゃんが感染すると、「敗血症」となってしまうことがあるのです。
「敗血症」とは?
敗血症とは、細菌などの微生物に感染して、臓器障害が起きている状態のことです。敗血症自体は、年齢に関係なく発症する病気です。
ですが、特に新生児は、免疫力が弱いため重症化しやすくなります。肺炎や髄膜炎を併発する恐れもあるのです。
アメリカのデータでは、妊娠中は妊娠していない時に比べて、感染リスクが114.6倍にもなるという結果も発表されています。
リステリア菌は「野菜」にも?
実は、リステリア菌は、生野菜や果物にもいます。
アメリカでは、2011年に「メロン」が原因となり、リステリア菌の中毒が発生して、33人が死亡しています。
野菜や果物は、栄養面でとても大切ですので食べないわけにはいきませんよね。
日本では「野菜」や「果物」による食中毒は報告されていませんので、無理に避ける必要はありません。
ですが、食べるときには、特によく洗ってから食べるようにした方が良いでしょう。
トキソプラズマ症とは?
リステリア菌による食中毒だけでなく、注意しておきたいのが「トキソプラズマ症」です。
トキソプラズマは、主に豚肉や羊肉、土やネコのフンなどにもいる「寄生虫で」です。
妊娠中に、初めてトキソプラズマに感染すると、「先天性トキソプラズマ症」となり、
流産したり、赤ちゃんの眼や脳に障害が起こることがあります。
これまでの報告では、
- 妊娠中、焼き肉屋さんに行って、充分に加熱しないで肉を食べたケース
- 果物狩りに出かけて感染したと推定されるケース
があります。
牛肉は感染リスクが「低い」という意見もあります。
ですが、日本でも6.5%の牛が感染しているかもしれない、という報告があります。
ロースロビーフやレアステーキなど、加熱が不充分な肉は避けた方が良いでしょう。
トキソプラズマは67℃以上に加熱しないと殺菌できません。どんな肉にしても、充分に加熱しましょう。
ネコを飼っている人は、フンに気をつけなければいけません。
妊娠中はネコのトイレ掃除はしない方が良いです。
また、家庭菜園などをしていて、どうしても「土」に触れなければならない時は、「手袋」や「マスク」はマストアイテムです。
まとめ
以上お話してきた通り、紹介した5つの食品は、そのリスクが極めて高いので、「絶対に口にしない」ほうがいいでしょう。
大好物の人にとっては「苦」になるかもしれませんが。
逆に言えば、この5つの食品以外は、あまり気にすることはありません。
お刺身や生卵などは、加熱した物よりは食中毒の可能性はありますが、それほどの大きなリスクはありません。
ですが、アニサキス症のリスクが高いしめサバやアジ、イカのお刺身、ノロウイルスのリスクのある生ガキなどは避けた方が良いでしょう。
それ以外は、あまり気にすることなく食べても良いと思われます。
妊娠中はストレスも多いことと思います。
それなのに、あまり食べ物で規制がかかると、そのストレスも大きくなります。
本当に食べてはいけないものを把握して、食事を楽しめることはとても大切な事です。
おしまい
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