2022年6月22日、参議院議員選挙の公示、7月10日投票日となっています。2016年から18歳から投票できるようになりました。ですが、若い人たちの「投票率」の低さが問題視されています。今回は、投票によって政治は変えられる、というお話です。
令和元年7月に行われた「参議院議員通常選挙」の投票率は、10代で32.28%、20代では30.96%でした。
10代・20代を合わせて、3人に1人くらいしか投票していないことになります。

いろいろ忙しいし、なんか面倒なんだよね
誰に投票していいか分からないし、誰が当選してもどうせ変わらないでしょ?


若い人たちが投票しないのは、主にこのような理由のようです
今回は、選挙に投票することで、政治が変わるかもしれませんよ、というお話です。
投票で「国」を変えられる?

2022年現在で、選挙権を持っている18歳・19歳・20代の人口は、約1422万人です。
もしこの人たちが全員投票したなら、「日本の政治」を変えられる、ということをお話していきます。
前回の参議院議員選挙を見ると?
参議院議員選挙の場合、3年ごとに定員の半数が選挙で選ばれます。
ですから、前回の選挙では124議席が争われたわけです。大まかな結果は以下の通りです。
令和元年の参議院議員選挙での投票率は、48.8%。
有権者の数は約1億500万人なので、5000万人ほどの人が投票したことになります。
獲得した議席数が多い順で言うと、
「自民党」の得票率は約39%、得票数は約2000万。獲得議席数は57議席
「立憲民主党」の得票率は約15.7%で、約790万の得票数。獲得議席数は17議席。
「公明党」の得票率は約6.4%、得票数約390万、獲得議席数14議席
「自民党」は「公明党」は、いま日本の「与党」なので、与党だけで71議席取ったということになります。
結局、自民党の大勝で終わった選挙でした。

結局自民党が勝つのよねえ。
確かに、選挙はこのパターンばかりですね。でも、特に若い人が持つ1票が、このパターンを変えるかもしれない。次はそんなお話です。

10代・20代のカリスマ的政党があったなら
10代・20代の人たちに圧倒的に支持されている政党、例えば「若者カリスマ党」があったとしましょう。
※残念ながら、衆議院議員選挙に立候補できるのは30歳以上なので、10代・20代の人が立候補することはできません。
当然、10代・20代はその政党に投票します。そして、その投票率が100%、つまり先ほど言った1422万人すべてが投票したらどうなるのか?
先ほどの自民党の獲得票数も2000万には届かないまでも、その約71%もの票を獲得することができます。
単純に計算すると、40ほどの議席を獲得できることになります。
これは、野党第1党の立憲民主党の議席をはるかに上回る数です。
2021年の衆議院議員選挙だったら?
参議院議員選挙より、衆議院議員選挙の方が、関心が高いので、2021年に行われた衆議院議員選挙も例に取ってみます。
この時の投票率は55.9%で、やはり参議院議員選挙より関心が高いことが分かります。
「自民党」は、得票率約48%、獲得票数約2760万で、261議席を獲得。
「立憲民主党」は、得票率約30%、獲得票数約1720万で、96議席。
「日本維新の会」は、得票率約8.3%、獲得票数約480万で、41議席。
「公明党」は、得票率約1.5%、獲得票数約87万で、32議席を獲得。
これをまた、「若者カリスマ政党」に、1422万の票が集まったとしましょう。
今回、投票した人は約5800万人ですから、1422万票となると、「若者カリスマ党」は、約24%の得票率となりますね。
単純に計算すると、76~77の議席となり、「立憲民主党」に次ぐ、野党第2党の規模の議席を獲得することになります。
政権だってひっくり返せる?
以上の例では、10代・20代だけの投票に限りましたが、「若者カリスマ党」を、30代以上の人も支持したらどうなるでしょうか?
もちろん得票数も増えることになり、獲得できる議席数も増えますね。
今まで「自民党」や他の野党に投票されていた票が、「若者カリスマ党」に流れるのですから、当然、自民党や他の野党議席は減ります。
その結果、「若者カリスマ党」が、第1党となり、「与党」になることも決してありないことではないのです。

選挙とは本来こういうものなのです。「投票しても何も変わらないのでは?」ということではなく、「変えるために、投票する」ということなのです。
参議院にしても衆議院にしても、投票率はたいてい50%程度です。つまり2人に1人しか投票していないというのが現状です。
ですが、投票していない半数の人が、投票したなら政権をひっくり返すことも可能なのです。
そう考えると、選挙もちょっと楽しく思えませんか?
政権が交代したことがある?
上の話は「架空」のことですが、実際に政権がひっくり返ったことがあるのです。
今の若い人は記憶にないかもしれませんので、ここでお話します。
戦後から今までの期間、ほとんどは「自民党」が与党であり、政権を担っています。
ですが、自民党が選挙で敗北し、与党から転落したことがあったのです。
それは、2009年の衆議院議員選挙でのことでした。もう13年前なんですね。
詳しい経緯は省略しますが、当時の自民党は、首相が短期間でコロコロ変わる、不安定な状態でした。
そんな時に、有権者に望みを託されたのが、「民主党」でした。
※「民主党」はその後分裂して、ざっくりいうと現在(2022年)では、「立憲民主党」と「国民民主党」になっています。
この時の選挙では民主党は、308議席を獲得し、自民党に圧勝。日本の政権を担うことになったのです。
ただ、この政権、いろいろあって約3年間で、政権から降りることになりました。
この時の選挙は、69.28%という大変高い投票率でした。
政権交代が起こったのは、投票率だけが原因ではありませんが、
私たちが持っている「1票」をどう使うかによっては、政権も交代することはあるのだ、という良い例だと思います。
おわりに代えて
参議員選挙は衆議員選挙に比べて、関心度は低い傾向にあります。
ですが、例えば自民党が今回の選挙で負けたなら、国民は自民党の政策に不満がある、ということを示すことになります。
政党や政治家に不満があったとしても、その政治家を選んだのは、私たち「有権者」です。
ですが、その政党や政治家を変えることができるのも、私たち「有権者」です。
現在では、「組織票」の力は、昔ほど強くはありません。
特定の政党や議員を支持していない「浮動票」が、選挙のカギを握っています。
特に、若い人たちの1票が、政治を変えることになるかもしれないのです。
そう考えると、投票に行きたくなりませんか?
おしまい
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