ネコと仲よくしたい! ネコになつかれたい! ネコを飼ったらなら誰でも思うこと。ネコとなかよくなりたいなら、ネコがどんな動物なのかを知らなければいけません。ここでは、「ネコはどんな性格の動物なのか?」「ネコとのスキンシップの取り方」などについてお話していきます。
ネコって、なんだか気まぐれで、よくわからないところがあるわね?
どうしたら、もっと仲良くなれるのかしら?
ネコを飼っている人でも、こう思う人は多いようです。ネコと仲良く暮らすには、「ネコの気持ち」を知る必要があります。
※小学生でも読めるように、漢字にはルビがふってあります。
ネコのきもちが知りたい
なぜ、ネコは「マイペース」なのか?
ネコと暮らしている人の多くは、この「マイペースさ」が好きだったりします。
ここからは、ネコと仲良く暮らすための、ネコとの付き合い方についてお話します。
ネコと犬のちがいは?
犬は、人にすごくなれるけど、ネコはマイペースで自分の好きなように生きているイメージありますよね。
この違いは、ネコと犬の生活の仕方の違いにあります。
犬は「群れ」をつくる動物。その中で上下関係を作って生活します。
ですから、犬が飼い主さんになついたり、言うことを聞くのは、飼い主さんを「リーダー」だと思っているからです。
ですが、ネコはそうではありません。
ネコは、「群れ」をつくることなく、単独(ひとり)で生活します。
なので「リーダーに従う」「誰かに合わせて行動する」というようなことはしません。
そのせいからか、犬に比べて、自分勝手な動物と思われています。
ネコにとって人は親の代わり?
野生のネコは、親や兄弟と暮らしています。そうして成長し、ずっと一緒に暮らしたい、と思っています。
ですが、親はある時がくると、子ネコを攻撃して、追いだそうとします。
このことを「子別れ」といいます。ネコはそうして、大人になり、自分ひとりで生活していくのです。
人に飼われたネコは、「子別れ」はありません。ずっとご飯をくれたりして、面倒を見てもらえます。
ネコにとって、飼い主は、ずっと面倒を見てくれる「母親」なのです。
だから人に飼われたネコは、大人になることなく、ずっと「子ネコ」のままの気持ちが残っていて、人に甘えたりするのです。
ネコはどんな生活をするの?
ネコは寝ることが大好きです。ネコは1日16時間くらいは寝て暮らします。
だから昔の人は、「寝子」と名付けた、というのが、「ネコ」の名前の由来とも言われています。
また、ネコが元気に動くのは、明け方と夕方です。これは飼いネコになって人間と生活しても変わることはありません。
つまり人間の生活スタイルにネコが合わせるようになることはないのです。
人なら、いつも同じ毎日だと、退屈に思うでしょう。でもネコは違います。
ネコは「変化」をきらう動物です。昨日と同じ今日、今日と同じ明日がいいのです。
ネコは同じ時間に、同じ場所にいたりします。朝はベットの上、昼はクッションの中、夜はソファーの上に、というように。
ネコは「なわばり」を作って生活する動物。
自分の「なわばり」である、いつもの場所が好きなのです。
ネコは病院に行くことや、外出を嫌がったりします。
これは病院や行き先が嫌なのではなく、いつもの場所を離れることがイヤなのです。
ごはんについても、気をつけてください。
人は毎日同じメニューだとあきてしまいます。でもネコは大丈夫。
同じエサだとあきるのでは? とおもって、コロコロエサを変えると、逆にネコのストレスになったりすることがあります。
ネコがあまり食べなくなって、あきたのかな、と思ったら変えてみてください。
ただ、それもネコによりけり。同じエサではすぐにあきてしまうネコもいます。
ネコはせまいところが好き?
敵から身を守り、安全にくらいたいので、ネコはせまいとことが大好きです
ソファーの下や家具のすき間、登れる高いところなどで寝てたりします。トンネルなど、隠れる場所を作ってあげるのもいいでしょう。
キャットタワーなどは、ちょっとお値段も高いですが、あればネコの休まる場所になり、上り下りをすることで、いい運動にもなります。
ネコの性格にもよりますが、隠れることなく、いつも人の目につくところにいるということは、
その家と人に安心感がある証拠とも言えます。
生まれてから2~7週間が大事?
野生のネコは、生まれてから2~7週間の間に、親や兄弟からいろいろなことを経験し学びます。この時にネコは「社会性」を身につけるのです。
この時に、経験したこと、しなかったことなどが、あとのネコの性格に大きくかかわります。
◎この時に、人と関わらなかったネコは、人になかなか、なつかないネコになるかもしれません。
◎この時に、他のネコと暮らさず、ひとりぼっちにされたネコは、他のネコたちとは仲よくしようとはしなかったり、他にネコがいると落ち着かないネコになったりします。
ですが、一生性格が変わらないというわけでは、ありません。
ただ、変わるには、あせらず、ゆっくり時間をかけてあげる必要があります。
ネコの性格は大きく分けて4タイプ?
人と同じように、ネコの性格もいろいろです。
ですから、「ネコはこんな性格ですよ」とは言い切れません。
ですが、大きく分けると、だいたい以下の4タイプに分かれると言われています。
①「かまってちゃん」で、しかも他のネコとも仲がいいタイプ
②「かまってちゃん」だけど、他のネコとは仲よくできないタイプ
③「ほっといてちゃん」タイプで、しかも他もネコとも仲よくできないタイプ
④「ほっといてちゃん」だけど、他のネコとは仲よくできるタイプ
飼っているネコがどのタイプなのか、その行動をよく見て、性格を知ってあげる必要があります。
ネコがどのような性格かが分かれば、ネコにストレスを与えてしまうこともないでしょう。
ですが、「ほっといてちゃん」だからといって、まったく甘えないということもありません。
他のネコがいない時だけ、飼い主さんに甘えてくるような子もいます。
「ほっといてちゃん」は「わたしをかまって!」と言う時だけかまってあげると良いでしょう。
ほんとに、ネコの性格はいろいろです。
ネコのしぐさの意味は?
ネコのしぐさにはどんな意味があるのでしょうか?
意外と勘違いしていることがあるのです。
ネコが「ゴロゴロ」言うのは、そのほとんどが安心していたり、甘えているときですが、それだけではありません。
体調が悪いときにも言うことがあります。
「ゴロゴロ」と言うことで、骨に刺激を与えて、新陳代謝を高めて、病気などを治そうとしている、という説もあります。
ネコが「スリスリする」のは、あいさつしている、という意味もありますが、人に「すりすり」するのは、自分の「におい」をつけているからです。
自分のにおいをつけることで、「この人は自分のもの」と言っているのです。
タンスやソファーなどに「すりすり」することも多いですね。それは、自分のにおいをつけて、「なわばり」を作っています。
「シャー」とないているネコを見ると、威嚇している、と思うかもしれません。それはちょっとちがいます。
「わたしは、あなたの敵ではありません。だから攻撃しないでください」
という意味で、争いごとになることを防いでいるのです。
上手なスキンシップの取り方
ネコの性格はいろいろであるとお話しました。ですから、すべてのネコにあてはまる接し方というのはありません。
ここでは、多くのネコにあてはまるであろう接し方を紹介します。
正しい接し方をしないと、ネコに余計なストレスを与えてしまいます。
なでていいところとダメなところは?
① なでていい所
なでても大丈夫な所は、「顔まわり」や「背中」です。
あごのあたりや、おでこのあたりは、なでてあげると喜んで「ゴロゴロ」とかわいい声を出しますよ。
背中や顔まわりはいいといっても、エサを食べているときなどは、さわらないようにしましょう。
ただ、ネコの性格はいろいろ。なでられること自体が、好きではないネコもいます。
なでられた所をすぐになめるときは、「早くにおいを消したい!」ということ。
つまり、なでられたことを、あまりよく思っていないということです。
② なでてはダメな所
ネコにとって急所になる「おなか」「あしさき」「しっぽ」はNG。
この写真のように、お腹をさわられても平気なネコもいます。ですが、たいていのネコはいやがります。
とくに、飼い初めのときには気をつけたら良いでしょう。
ですが、何度も言うように、ネコもいろいろ。飼っているネコが、どこをさわったら、気持ちいいのか、どこをさわったら、嫌がるのかを知っていくことが大事なことです。
ネコは気分屋さん?
なでられることが、あまり好きではないネコもいます。
また、ネコの気分はすぐに変わるもの。なでられて気持ちよさそうにしていても、すぐにあきたりします。
つまり、しつこくスキンシップを取ろうとすると、嫌われることもあるのです。
なにごともネコのペースに合わせてあげるのが大切です。
ダッコはすきではない?
実は、抱っこされたいネコは、少数派です。
それは抱っこされて、体をつかまれてしまうと、何かあった時に、すぐに動けないからです。
敵から自分を守る場合、それでは困るわけです。
また、うまく抱っこできたとしても、ネコはすぐにあきてしまいます。
しっぽを振るなどのサインがあったら、すぐにおろしてあげてくださいね。
ネコが好きな人、そばにいるとおちつく人にはネコのほうから寄っていきます。
寄ってきたらなでてあげたり、そっとダッコしてみてください。
ネコは女の人が好き?
ネコは、男の人より、女の人の方が好きだと言われています。
- 女の人はネコが聞きやすい、「高い声」を出すから
- 女の人ならではの、おだやかな動き
がネコにとって、心地いいと考えられています。
ただネコたちが好きになる人は、自分たちの世話をしてくれる人です。
ネコに好かれようと思ったら、トイレのそうじ、エサをあげたり、水を代えてあげたりと、ネコのお世話をしてあげることですね。
ネコに聞き取りにくい音がある?
小学生にはちょっと難しいかもしれない話。
ネコは「子音」は聞き取りにくくて、「母音」を聞き取り、言葉を区別しているのではないかと考えられています。
例えば、「こゆき」という名前の場合、「ko yu ki」となり、
子音は「k, y, k」 母音は「o, u, i」となります。
ですから、「キキ」(ki ki)や「タマ」(ta ma)などの母音が同じことばは区別しにくくて、聞こえづらいのです。
名前をつけるときに、このことを考えてつけるのもいいでしょう。
ブラッシングは大切?
ネコは自分で毛づくろい(グルーミングといいいます)をしますが、背中など、舌がとどかないようなところは、人がブラッシングしてあげます。
毎日しなければいけない、ということはありませんが、毛の長いネコは、少しづつでも毎日してあげたほうがいいです。
ブラッシングには次のような効果がありますよ。
- 毛玉になるのを防ぐ
- 抜け毛で部屋がよごれないようにする
- マッサージにもなる
- ネコとのスキンシップになる
ブラッシングがキライなネコもいます。そのときは、少しずつなれさせてください。
ネコがキライなことは?
男の人や子どもが苦手なネコは多いです。
その理由は、「ネコがキライなこと」をしてしまうことがあるからです。
だいたいのネコがキライなことは次の3つ。
- 大きな声や大きな物音
- 急に動いたりすること
- しつこいこと
これらのことは、子どもや、男の人がやってしまいがちなこと。
ネコを驚かせてしまう行動はNGです。
また、自分が、かまいたいからといって、しつこくなでたり、何度も名前を呼んだりするのもNG。
ネコのペースを邪魔しないようにしてあげることが大事です。
ネコにとって人はコワい?
人間の「手」ひとつとっても、ネコにとっては「大きくて」こわいものに見えたりします。
それが突然上からやってくると、びっくりするのはとうぜん。ネコをなでたりするときは、「上」からではなく、ネコと同じ目線の高さから手を出すほうが、ネコに安心感をあたえますよ。
ネコに好かれる人、それは、ネコのイヤがることをしない人です。
ネコは人に合わせてはくれません。人がネコに合わせてあげることが大切なんです。
ネコが安心してくらせるために
「犬は人につく ネコは家につく」と言います。
犬は群れをつくる動物。そのリーダーである飼い主さんに従って生活していきます。
ネコはそうではありません。「なわばり」である「家」が生活のすべて。
ここからは、ネコが安心して暮らせるための注意点について、いくつかお話します。
ネコにとって居心地のいいへやって?
① 植物はおかない
すべての植物がネコにとって害になるわけではありませんが、どの植物がネコにとって害になるのか、よくわかっていないものもあるので、植物は部屋にないほうがよいでしょう。
ちなみに、ユリ科の植物がもっとも毒が強いといわれています。
② 電気のコードにはカバーをつける
ネコの性格によりますが、いろいろなものに興味を持ったり、かじってしまうネコがいます。
電気のコードをかじってしまっては大変! ダンボールなどで、かじれないようにカバーをつけてあげると安心です。
③ ネコが口にしてはいけないものはしまっておく
薬などはもちろんのこと、「輪ゴム」や「ビニール袋」などネコが食べてしまうといけないものは、出しておかないようにしましょう。
「αリポ酸」が含まれている、ダイエットサプリは、1粒でネコの命がなくなります。
④ 柵などをつけると安全
ネコは入ってはいけないところや、ベランダなど、落ちてしまっては危険なところには柵などして、ネコが入れないようにすれば、事故を防げます。
⑤ ネコの「居場所」をつくってあげましょう
キャットタワーを置くことで、ネコの居場所をつくることになり、また、登ったり、降りたりすることで、いい運動にもなります。
キャットタワーでなくとも、家具に段差をつけて置くことで、ネコの運動器具代わりにもなりますよ。
ダンボールなどで作ったものでかまいません。ネコの体がスッポリ入るくらいの大きさの「寝床」を作ってあげましょう。
ネコが1匹でも、2~3こくらいあるといいと思います。
去勢・避妊はかならずしましょう!
子ネコを産ませて、増やそうと思うなら別ですが、そうでないなら、「去勢・避妊手術」はかならずしましょう。
※これは、「子どもを作れなくする」手術です。
「そんなこと可哀そう」と思うかもしれませんが、「去勢や避妊」をしない方が、猫にとっては「可哀そう」になるのです。
去勢・避妊は、生まれてから、6カ月以内でしたほうがいいです。
去勢・避妊をした方がいい理由をお話します。
① 「去勢・避妊」しないとストレス!
ネコには、年2回「発情期」があります。ですが、家飼いでは、異性と出会えるわけもありませんので、ストレスになります。「去勢・避妊」をしないほうが、可哀そうと言えます。
② 穏やかに生活できます
「なわばり」をつくろうとする「マーキング」行動や
攻撃的な行動を減らすことができます。
そういう行動がなくなることで、人とネコお互いに穏やかに生活できますよ。
③ 病気になりにくい
具体的な病気の名前は難しいので、ここではあげませんが、ネコがかかる病気の予防になります。その結果ネコが長生きできるようになります。
手術の手順
去勢・避妊手術の流れは次の通り。
- 1~2週間前に、病気がないか検査
- 前日は、吐いてしまわないように、ご飯はなしです。
- 手術の1週間後くらいに、抜糸します。
- オスの場合は、日帰りできますが、メスの場合は、病院に一泊することもあります。
※ネコの体のことについて知りたい方はこちら
おわりに代えて
おわりに代えて、「ネコの十戒」を紹介します。
人とネコの関係を、うまく表しているものですので、ぜひ参考にしてみてください。
※公益社団法人 日本愛玩動物協会が出しているものです。
小学生にとっては難しい言葉も多いのですが、そのまま載せます。
第1戒
私の生涯はだいたい15年くらいしかありませんが、たまに20年以上生きて、しっぽがさけます。ほんのわずかな時間でも、あなたが離れていると腹がたちます。わたしが家族になってやるので、そのことを覚悟しなさい。
第2戒
あなたがわたしに望むことを理解するつもりはありません。待ってもむだです。
第3戒
わたしを崇拝しなさい。わたしにとってそれが一番大事なことなのです。
第4戒
わたしを長い時間しかったり、バツとして閉じ込めたりしてはなりません。でもせまい所は好きなので、ダンボール箱を用意するのは許可します。あなたには仕事や楽しみがあり、友だちだっているかもしれませんが、わたしのお世話をすることに勝るよろこびはないはずです。
第5戒
わたしに話かけなさい。あなたの話していることが何かはどうでもいいですが、話しかけるあなたの声はわかるのです。ほめことばは特に。
第6戒
あなたがわたしにどんなふうにしてくれたか、わたしはけっして忘れません。恨みは倍返しします。
第7戒
わたしをたたいたりする前に思い出しなさい。わたしの歯はあなたの手の骨をかみくだくことぐらい簡単にできるのに、気が向いた時にしか、かまないようにしていることを。
第8戒
わたしが言うことを聞かないと怒る前に、まずは自分に問いかけてみなさい。たっぷり食事をあたえましたか?それはわたしが好きなシーバですか?日なたで気持ちよく昼寝をしているのをじゃましませんでしたか?もしかすると年をとって体が弱ってきているのかもしれませんが、どのみちわたしがしたいことに従わないほうが悪いのですから、あきらめなさい。
第9戒
わたしが年をとっても世話をしなさい。あなたも同じように年をとりますが、わたしは年をとってもかわいいのです。
第10戒
わたしが年をとっても世話をしなさい。そばにいてわたしを見送りなさい。「かわいそうで見ていられない」とか「わたしのいないところで逝かせてあげて」なんていうのは許しません。なでなさい。なで続けなさい。かわいいね、いい子だねと言いなさい。言いまくりなさい。そうすればわたしは着替えの時間を少し短くしてやってもよいです。まあ、気が向いたら。
※着替え 死んだネコは天国で毛皮を着替えて、もう一度、もとの飼い主に会いにくると言われている。
ネコは、「ご主人様」で、人は「ネコの家来」になることが、良い関係だということですね。
おしまい
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