~犬を飼おうか検討中の方へ~ 犬を飼いたいけど、どのくらい費用がかかるのか? そんな疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか? その疑問を解決していきます。ここでは、「小型犬」に焦点を当てて、その「生涯費用」と「月々にかかる費用」について、分かりやすく解説します。
ペットを飼うことで、癒し効果があることが、医学的にも証明されている昨今。ペットを求める人も多いようです。しかし、

犬ってどのくらいお金が必要なのかしら?
うちの収入で飼っていけるかしら?
とお悩みの方も多いことでしょう。
そのお悩み解決します!
犬を飼う場合の費用は、「小型犬」と「大型犬」よって、かなりの開きがあります。当然、大型犬の方が、多くの費用がかかります。
今回は、人気の高い「トイプードル」「ミニチュアダックスフンド」などの「小型犬」に焦点を当てて、お話していきたいと思います。
小型犬の場合、その平均寿命は14歳ほど。その寿命を全うした場合、かかる費用は、結論から言いますと、
179万円程度
と言われています。(「一般社団法人ペットフード協会、2021年調査 から)
これを月割りすると・・・・・・
179÷14年÷12=1万654円程度になります。
これなら何とか飼っていけそうだわ


そんなふうに思われるかもしれませんが
そんなに簡単なお話ではないのです
では、どのようなことに、費用がかかるのか、具体的に見ていきましょう。
※犬の購入価格については今回触れておりません。
・犬を飼うときに必要な物が分かる
・犬を飼うために必要な費用が分かる
・どんなことに大きな費用がかかるのか分かる
犬を飼うときに必要な物とその価格

ここからは、
- 飼い初めに必要な物とその価格
- 継続的に必要な物とその価格
の2つに分けてお話します。
※価格は比較的「安い価格」を載せています。
飼い初めに必要な物とその価格
① トイレ
(価格)3000円程度
② サークル
犬がその家の環境に慣れるまで、「自分の居場所」が必要です。ゲージの中にクッションやタイルなど必要ですが、購入することなく、家のある使い古しの物で十分です
(価格)6000円程度
③ クレート(キャリーバック)
※犬の居場所や寝床になる他、病院に連れていくとき必要になります。
(価格)6000円程度
④ 食器
(価格)食事用・水用両方で、
2000円程度
⑤ 首輪・リード
(価格)首輪・リード2つで、
3000円程度
※その他、おもちゃ、楽しいグッズなど、買ってあげたいものはたくさんありますが、キリがないので、ここでは「必要な物」には含みません。
と、ここまでを合計すると飼い初めに必要な費用は、
2万円程度
となります。
もちろん、古くなったり、壊れたりと買い替えは必要になりますので、犬の生涯の14年間で考えると、さらに費用はかかっていきます。
継続的に必要な物とその価格
① ご飯
(価格)3000円程度
※小型犬であれば、1日に食べる量は70g~90gです。3㎏入りだ1カ月分にはなります。
② トイレシート
(価格)400枚入り3000円程度
※犬が1日におしっこをする回数は、子犬で7回程度、成犬で5回程度です。これをすべて家の中でしたとすると、毎回シートを替えると、400枚入りで1カ月もちます。
と、ここまでを合計すると「継続的に必要な物の費用」は、
6000円程度 となります。
これを、14年間の費用に換算すると、
6000円×12か月×14=100万8000円
となります。
これを、先ほどの「飼い初めに必要な物の費用」と合算すると、
100万8000円+2万円=102万8000円
が14年間でかかる費用になります。
月割りすると、
102万8000円÷14年÷12か月=約6000円
先ほども言いましたように、楽しいグッズやおやつなどを飼ってあげたり、古くなったり、壊れたりして、買い替える物もあります。
また、ここではお話しませんが、「トリミング(毛のお手入れ)」をすると、1回で、3000円~4000円かかります。
このように、さらに費用もかかると考えると、現実的な費用は、
1カ月7000円程度と考えて良いでしょう。
これを14年間となると・・・・・・
7000円×14年×12か月=117万6000円程度
となります。

14年間で見ると、大きい額だけど、月々7000円くらいなら、大丈夫だわ!
と、ここまで読んで、安心される方も多いでしょう。また、179万円かかる話は?とも思いますよね。ちょっと足りないですね。

実は、お金がかかるのはここからなんです。
ではさらに「大きなお金」がかかるお話をしましょう。
医療費が高いのです

ここからは、
- 必ずかかる医療費
- 病気やケガにかかる医療費
の2つに分けてお話していきます。
※医療費は、病院によって違いますので、平均的な医療費とします。
必ずかかる医療費
① 狂犬病の予防接種
※これは毎年する必要があります。
(費用)1回~3500円程度
これを14年間分とすると、
3500円×14=4万9000円
② 混合ワクチン接種
※予防する病気の数により費用は違います
[2種混合](費用)3000円~5000円
[7種混合](費用)7000円~1万円
また、ワクチン接種は、1年に1度行うことが、推奨されていますので、これを14年間打つと、
・2種混合なら(費用は中を取って4000円とします)
4000円×14年=5万6000円
・7種混合なら(中を取って8500円とします)
8500円×14年=11万9000円
となります。
③ 去勢・避妊手術
・去勢手術 3万円~4万円
(中取って3万5000円とします)
・避妊手術 4万~6万円
(中を取って5万円とします)
④ 健康診断
(費用)1回 5000円程度
※1年に1度の検診が推奨されています。また、人間と同じように「オプション」をつけていくと、費用も大きくなります。
これが14年間で
5000×14=7万円程度
と、ここまでが、「必ず発生する医療費」です。
すべて合計すると・・・・・・
狂犬病予防接種4万9000円+2種混合ワクチン5万6000円+去勢手術(オスの場合)3万5000円+健康診断7万円=
21万円程度
となります。
これを月割りすると・・・・・・
21÷14年÷12か月=1250円
この医療費21万円と、先ほどお話した「必要経費」117万6000円と合計すると、138万6000円ほどです。
まだ、179万円には遠いですね。お金がかかる話はまだまだ続きます。

病気やケガにかかる医療費
まず初めに、「1カ月に動物病院にかけている医療費の平均額」を見てみましょう。(犬の年齢別になっています)
(出典:日本獣医協会「家庭飼育動物(犬・猫)飼育者意識調査~平成27年度~」)
・0歳~6歳 7136円
・7歳~12歳 7800円
・13歳以上 9801円
※年齢が高くなるとともに、医療費が高くなるのは、年を取ると、体調を崩しやすくなるためです。
ご覧いただいたように、少なくとも7000円程度の医療費が毎月かかることになります。
これを、犬の生涯14年間で換算すると・・・・・・
7000円×14年×12か月=117万6000円
ただし、これは「平均のマジック」、すべての犬にこれだけの医療費がかかるわけではありません。健康でほとんど病院にかからない犬もいれば、体が弱くてよく病院にかかる犬もいますので、必ず1カ月に7000円かかるとは言えません。
とはいえ、人間と同じように、「犬風邪」を引いたりと、体調を崩すことはよくあること。1度病院に行くと、保険がない分1万円くらいはかかったりします。
それらを考慮すると、年間3万円程度の医療費はかかるとしてよいでしょう。
そうなると、生涯14年間で・・・・・・
3万円×14年=42万円ほどの医療費はかかると考えるべきです。
これを、「必要な物の費用」の117万6000円、「必ずかかる医療費」の21万円と合算すると・・・・・・
117万6000円+21万円+42万円=
180万6000円となり、
初めにお話した、生涯費用の179万円と近い額になるのです。
しつこいようですが、お金のかかる話は、さらに続きがあるのです。

犬によって、かかる病気やケガは様々ですので、ここでは主な病気やケガとそれにかかる医療費についてご紹介します。
※すべての医療費は、最悪のことを考慮し、「手術が必要な場合の医療費」としています。
[主なケガと医療費]
・誤飲事故
※子犬に多く見られます。間違って異物を飲んでしまうのです。
(医療費) 13万円ほど
・骨折
(医療費)23万円ほど
・椎間板ヘルニア
※過度の運動や加齢によって発症することがあります。
(医療費)38万円ほど
※手術をした場合、入院が必要になります。入院費は1日で3000円ほどかかります。
[主な病気と医療費]
※今回お話する病気は、犬がかかりやすいベスト4です。
・皮膚病
(医療費)1回の診察で6000円ほど 4回通院するとして2万4000円ほど
・胃腸炎
(医療費)1回の診察で5000円ほど 4回の通院で2万円ほど
・下痢
(医療費)1万2000円ほど
・外耳炎
(医療費)1回の診察で6000円ほど 4回の通院で2万4000円ほど
以上のように、1度の診察では、回復せず通院が必要な場合は医療費も高くなります。また手術が必要な「重度」な病気の場合は、手術台や入院費として、20万円前後の医療費がかかります。
この「突発的な医療費」が発生した場合、家計にかなりのダメージがあることでしょう。
実際、高額な医療費が払えないばかりに、犬を手放すケースもあるのです。
こんなにかかるのなら、うちでは飼えないかも


こう思われる方も多いかもしれませんね。ですが、私はこの記事を通して、犬は飼わない方がいいですよ、と言いたいわけではありません。
最後に、この「高額医療費」への対応の仕方をお話します。
高額医療費にどう対応するか
先ほども言いましたが、すべての犬に高額な医療費がかかるわけではありません。ですが、全くかからないという保証もありません。病気にならない犬を判別することもできません。ですから、高額な医療費については、準備しておく必要はあります。
最後に、「高額な医療費」への対応策を4つお話します。
① 犬の健康管理や生活環境に気をつける
日々の食事は、人間と同じように大切な物です。大きな病気にならないよう、日ごろから食事の管理には気をつけましょう。
また、誤飲やケガなどしないよう、犬が安心して暮らしていける環境作りは必要です。ネコと違って「外での散歩」が必要な犬は、ケガをするリスクも高いと言えます。いつも目を配る「気遣い」が必要です。
「健康診断」「予防接種」も継続的な出費にはなりますが、1年に1度受けることで、大きな病気に対処できます。
② ペット保険に加入する
これも、継続的な費用とはなりますが、高額な医療費への対応策となります。月々2500円~3000円の支払いで、手術代の場合15万円程度の保証が受けられる保険もあります。
現在では、様々な「ペット保険」がありますので、比較検討してみることをおすすめします。
③ 良い動物病院を利用する
医療費の話の冒頭で言いましたように、医療費は動物病院によって、結構な違いがあります。
良心的な病院では、必要最低限の治療をしてもらえるので、比較的医療費を抑えることができます。
反面、過剰な治療を行って、できるだ診察料を払わせようとする動物病院も、実際あるのです。
医療費のことを考えてくれる「良心的な動物病院」をかかりつけにしましょう。
④ 「犬貯金」をする
これは、「ペット保険」と同様に、大きな費用に対応するものです。ただ「ペット保険」については、「無駄になるのでは?」と考えて、加入をためらう方も多いと聞きます。
「犬貯金」は無駄になることがないので、安心とも言えます。
万が一に備え、月々1万円でも貯金しておくことをお勧めします。
まとめ
以上、犬を飼った場合にかかる、生涯費用と月々の費用について解説してきました。
月々の費用だけ見ると、それほど家計に負担がかかることもなく、犬を飼っていける額でしょう。
ですが、気になるのは「高額な医療費」です。もう一度言いますが、この記事を通して、「医療費は高いから犬は飼わない方がいいですよ」と言いたいわけではないのです。
家族として迎える以上、どんなことがあっても、一生面倒を見ていけるのか、よく検討してから、飼うことをお勧めしているのです。
犬は生き物です。決して「おもちゃ」を買う感覚にならないことをお勧めします。
おしまい
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