~妊活・妊娠中の方へ~妊活・妊娠中は何かと良い情報が欲しいところですね。、その人の経験に基づいた「経験談」も多く、何を信用すればよいのか、分からなくなったりしませんか?私は男性ですので、もちろん「妊娠」の経験はありません。ですが、だからこそ、「経験による話」ではなく「科学的根拠に基づいた」話ができるのです。
サプリメントのことはよく聞くけど、飲んだ方がいいのかしら?
結局、サプリメントは赤ちゃんにどんな効果があるの?
サプリメントについての疑問をお持ちの方は多いでしょう。今回は「葉酸」「鉄分」サプリメントについて、科学的な根拠に基づいて、分かりやすく解説します。
・サプリメントは飲んだ方が良いことが分かる
・「葉酸サプリメント」の効果が分かる
・「鉄分サプリメント」の効果が分かる
「葉酸サプリメント」は飲んだ方が良い?
「妊娠中は安易にサプリメントは飲まない方がいいですよ」という記事が多いですが「葉酸サプリメント」だけは特別扱いで、飲んだ方が良いとされています。
妊婦さんに必要な1日の葉酸の量は、食事から240㎍(マイクログラム)に加えて、400㎍をサプリメントから摂取することを推奨しています。
つまり、640㎍の葉酸が必要と言うことです。
また、飲む期間として厚生労働省は、妊娠前の1カ月から妊娠3か月まで、と推奨しています。
サプリメントに頼らないで、すべて食事から摂ることはできないのかしら?
そういう疑問も出てきますよね。ですが、食事だけで摂るのは大変なのです。はじめにそのことについてお話しますね。
「葉酸」を食事だけで摂るのは大変?
まずは、「葉酸」を多く含む食品についてまとめた表を見てください。
食品 | 1食当たりの重量(g) | 1食当たりの葉酸量(㎍) |
---|---|---|
玉露 | 150(1杯分) | 225 |
ほうれん草 | 80(1/2束) | 88 |
とうもろこし(ゆで) | 100(1本分) | 97 |
枝豆(ゆで) | 30 | 78 |
グリーンアスパラ(ゆで) | 40(2~3本) | 72 |
いちご | 80(4~5個) | 72 |
焼きのり | 3(1枚分) | 57 |
鶏の肝臓(生) | 40 | 520 |
牛の肝臓(生) | 40 | 400 |
豚の肝臓(生) | 40 | 324 |
納豆 | 50(1パック) | 60 |
これらが、「葉酸を多く含む食品」です。
肝臓に多く含まれていることがわかりますね。ですが、ここで気をつけなければならないことがあります。
食品から摂取した「葉酸」が体に吸収されるのは、50%だということです。
つまり、「牛の肝臓」を40g食べても、摂取される「葉酸」の量は、200㎍(マイクログラム)にしかならないのです。
しかも、「葉酸」を多く含むからと言って、何カ月も上記の食品ばかり食べ続けることができますか?
できないですよね。
これが、食事だけで640㎍もの「葉酸」を吸収することが難しい理由です。
そこで、厚生労働省も「葉酸サプリメント」の摂取を推奨しているのです。
それではなぜ、サプリメントを使ってでも、葉酸を多く摂取する必要があるのでしょうか?
神経管閉鎖障害とは?
「葉酸アプリ」は、妊娠する前から飲むことが推奨されています。その理由として最も重要なのが、赤ちゃんの「神経管閉鎖障害」を予防することです。
① 「神経管閉鎖障害」とは?
「神経管閉鎖障害」とは、妊娠の初期(4週目~12週目)に起こる、赤ちゃんの「先天異常」のひとつです。
② なぜなるのか?
脳や脊髄などの元になる、「神経管」がうまく作られずに、ちゃんと「管」の形にならないことが原因となります。
③ なったらどうなる?
この「神経管閉鎖障害」によって、「無脳症」や「二分脊椎」といった病気になります。
「無脳症」になった場合、「流産」や「死産」になってしまうことが多くなります。
「二分脊椎」の場合は、生後すぐに手術を受け、その後、生涯かけて「リハビリ」が必要になるケースが多いのです。
日本では、年間500~600人の赤ちゃんが、これらの病気にかかっています。
これらの病気の原因が、すべて「葉酸」の不足ではありません。また「葉酸サプリ」を飲んでいれば、必ず回避できるとも限りません。
ですが、サプリを飲むことで、発症のリスクを50~70%下げられることが分かっています。
それでは、なぜ「妊娠前」から飲むのか?
妊娠が分かるのは、早くても4週目頃。そのころには「神経管」が作られ始めています。ですから、妊娠が分かってから飲み始めると「手遅れ」になることがあるのです。
「葉酸」で妊娠率がアップする?
「葉酸」を摂取することで、「妊娠率」がアップする、という研究結果は出ています。
① 1996年発表のハンガリーの研究結果
- 妊娠希望の女性、7905人を2つのグループに分ける
- グループAには、葉酸800㎍(マイクログラム)を含むマルチビタミンサプリを飲んでもらう
- グループBには、銅・マグネシウム・亜鉛・ビタミンCを含んだサプリを飲んでもらう
- A・Bのグループを14か月間追跡調査した
その結果は?
- マルチビタミンサプリを飲んだAグループでは、71.3%が妊娠
- もう一方のBグループでは、67.9%が妊娠
② 2002年南アフリカの研究
103人の不妊症の男性に、葉酸と亜鉛のサプリを、26週間飲んでもらった結果、「精子」の濃度が増加した。
「神経管閉鎖障害」の予防よりは、明確な効果は得られていませんが、妊娠率がアップすることは間違いないようです。
妊娠3か月以降も飲んだほうがいいのか?
それでは、妊娠3か月以降も、葉酸サプリを飲み続けた方が良いのでしょうか?
妊娠前~妊娠3か月までは「赤ちゃんの病気の予防」という「明確」なメリットがありました。
ですが、3か月以降に「葉酸サプリメント」で、葉酸を補給するメリットは、今のところほとんど見つかっていません。
とはいえ、葉酸は、神経を作るだけでなく、血液を作るためにも必要であり、赤ちゃんの成長には欠かせません。
食品だけで、摂取するのが難しいのであれば、「サプリメント」で補う必要はあります。
とはいえ、妊娠前~妊娠3か月のアプリの量である400㎍から、240㎍程度に減らすことも良いでしょう。
その代わりに、妊娠3か月以降に必要なのが、「鉄分サプリメント」です。
お薦め葉酸サプリ
「鉄分サプリ」のお話の前に、お薦めの「葉酸サプリ」をご紹介します。
「葉酸サプリ」を選ぶときに大事なことは、「吸収率」の高さです。
このサプリは、「モノグルタミン酸型」葉酸で、吸収率がとても高い。
各種メディアでも紹介されたものです。
どんな「葉酸サプリ」が良いのか迷ったら、まず試した方が良い「サプリメント」です。
元モー娘。の保田圭さんも推薦
「鉄分サプリメント」の効果とは?
鉄の摂取について厚生労働省は、妊娠していない時の摂取量に追加して、妊娠初期は2.5mg、中期・後期は15mgを、さらに摂取するように推奨しています。
つまり、1日の合計量は、
- 妊娠初期には8.5~9mg
- 妊娠中期・後期には21~21.5mg
の鉄を摂取する必要があるのです。
また、アメリカなどでは、妊婦さんは1日30mgの「鉄分サプリメント」の摂取が推奨されています。
鉄の大切な役割とは?
「鉄」の役割としてよく知られているのが、「血液を作ること」ですが、それ以外でも、赤ちゃんの脳や身体の発達にも大切であることが分かっています。
① 2002年アメリカの研究結果
- 287人の赤ちゃんのへその緒の血液を採取して、「フェリチン」の量を測定した
- 血液中の「フェリチン」というタンパク質が少ないと、鉄分が不足している可能性がある
- その赤ちゃんたちが5歳になった時に、「発達に関する」テストを行った
- フェリチンの濃度が低かったグループでは、3割近くの子どもが、微細運動能力のスコアが低かった
- それに対し、濃度が中程度だったグループでは、スコアが低かったのは1割未満
② 1992年アメリカの論文
826人の妊婦さんの「貧血」と、生まれた時の赤ちゃんの状態を調査。
その結果、母親が「鉄欠乏性貧血」の場合、赤ちゃんの体重増加が不充分になるリスクが2倍になったことが分かった。
以上の結果から、「鉄」が赤ちゃんの成長に重要であることが分かります。
すべて「食品」から摂取できるか?
「食品」だけで、鉄分を摂取するのは、やはり難しいのです。「葉酸サプリのはじめの部分」でもお話したように、鉄分を多く含む食品を毎日食べ続けるのは大変です。
動物の肝臓(レバー)に鉄が多く含まれていることは有名ですね。
例えば「鶏のレバー」には、100g当たりに9mgの鉄が含まれています。では、レバーを頻繁に食べると良いのでしょうか?
ところがそうはいかないのです。
レバー類は、ビタミンAが多く含まれています。「鶏レバー」なら、14000㎍含まれています。ビタミンAの1日当たりの摂取上限量は2700㎍なので、その5倍以上を摂取することになってしまいます。
食べるにしても、「少量」だけにしたほうが良いのです。
また、牛肉・豚肉・鶏肉などでは、あまり鉄を摂取することができません。
なので、妊娠中期には「鉄サプリメント」を10~30mg飲むことで、鉄の不足分を補う必要があります。
「非ヘム鉄」と「ヘム鉄」良いのはどっち?
サプリメントを飲むときには、一緒に摂取する食品には気をつけた方が良いです。
- お茶やコーヒーなどの「タンニン」を含む食品
- 乳製品など「カルシウム」を多く含む食品
これらの食品と一緒に摂取すると、吸収率が低下してしまいます。
「鉄」には、「非ヘム鉄」と「ヘム鉄」の2種類があります。どちらの「鉄」を摂取したら良いのでしょうか?
① 「非ヘム鉄」
一般的に「鉄サプリメントのほとんどは、非ヘム鉄と呼ばれるタイプのものです。
非ヘム鉄の吸収率は2~5%と低いので、効率的に摂取するためには、ビタミンBや動物性タンパク質と一緒に取るのがベストです。
② 「ヘム鉄」
ヘム鉄は、主に魚類や肉に含まれている鉄分で、吸収率に優れています。その吸収率は10~20%と「非ヘム鉄」の4倍~5倍です。
鉄分のサプリメントは、便秘や吐き気などの副作用がみられることがありますが、ヘム鉄はこのような副作用が出にくいという研究結果も出ています。
吸収率や副作用のことを考えると、「ヘム鉄」のサプリメントが良いでしょう。
お薦め「鉄サプリメント」
このサプリメントは、「ヘム鉄」100%で、添加物などは一切使われていません。
非ヘム鉄に比べると、その吸収率は3~5倍となっています。
また、鉄分の吸収率を高める「ビタミンC」も配合されています。
詳しくは、販売サイトをご覧ください。
まとめ
以上、「葉酸」と「鉄分」について解説してきました。「サプリメント」には抵抗感がある方も多いと思います。
確かに、食事で摂取することが理想的ではありますが、食品だけで摂取するのは大変難しいのです。
また、栄養のことだけを考えて、食べたくもないものを食べ続けるのも「ストレス」になります。
「サプリメント」によって、不足分の栄養を補足することは、妊婦さんにとっては、大変重要なことなのです。
おしまい
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