2022年4月から、高校の家庭科の授業の中で、「投資」についても学ぶことになりました。ですので、今回は高校生にも分かりやすいように、投資の中でも「株」の仕組みについて解説します。「こうしたら株でもうかるよ」という話ではありません。
「株」って言葉はよく聞くけど、その仕組みはよく知らないなあ。
株に投資するって話は聞くけど、どうしたらお金が増えるのかしら?
25~69歳の男女で、投資をしている人は約1470万人にのぼります。これは25~69歳の人口の21.1%に当たります。(2021年現在)
実に5人に1人がなんらかの投資をしている、というのが現状です。
「株投資」はどんなしくみ?
「投資」といってもいろいろあります。
- 株
- 投資信託
- 不動産投資
- NISA(ニーサ)
- iDeCo(イデコ)
- FX など
今回は、この中でも「株」について、その仕組みについて解説します。
※「投資信託」「FX」について詳しく知りたい方はこちら
そもそも「株」って何?~あなたが会社を作ったら~
「〇〇株式会社」と言いますね。では、この「株式」とはどういう意味なのでしょう。
※「株」と「株式」は同じことです。
あなたが、会社を立ち上げたとしましょう。(こういう人も増えていますね)
何をするにしても「資金」が必要です。「銀行に借りよう」と思うかもしれません。
ですが、銀行はそう簡単にはお金を貸してくれません。また、借りたとしても、借りたお金は「利子」をつけて返さなければなりませんね。
そこで、あなたは、資金を集めるために「株式」を発行して、応援してくれる人に買ってもらうことにします。
株を買ってくれた人のことを「株主」と言います。
あなたは、「株式」を買ってもらったお金を資金として、会社運営をすることができます。
しかもこのお金は返す必要がありません。
では、「株を買った人」はボランティア?
そうではありません。会社が成功して儲かったら、あなたは、株を買ってくれた人に「配当金」を支払います。
会社の利益を「株主」に分配するのです。これで株を買った方も損することはありません。
このように「株」とは本来、会社の資金集めの手段なのです。
「株投資」とは?
さて、ここからが「株投資」の話。
株を買った会社が、順調に利益を出しつ図ければ、高い配当金を受け取ることができますね。
それとともに、会社の株の「価値」も上がるのです。
調子がいい会社の株は欲しがる人が多いからです。
逆に、会社が不調で利益がでなくなると、その株の価値は下がってしまいます。
株を持っているメリットがなければ、この株は持っていても得にならないな、と思われて誰も株を欲しがらないからです。
そうなれば、株の「価値」は下がってしまいます。
株の価値を「株価」と言います。
「株投資」の仕組みは簡単です。
「この会社は成長しそうだぞ」と思い、会社の株を買う人が増えれば「株価」は上がります。
ですが、「成長しそうもないな、赤字になるかも」と思い、株を売る人が増えれば、「株価」は下がります。
会社の業績は、その時によって波があります。いい時もあれば悪い時もあるわけです。
「株価」が下がったところで買って、「株価」が上がったところで売れば、その「差額」が儲けになるのです。
株価は、毎日変動しています。この株価の動きを上手に見極めて、株を売り買いするとお金が増える、というわけです。
そう簡単には儲からない?
なんだ簡単だな。これならできそうだし、儲かるんじゃない?
まあ、そんなに簡単ならみんな儲けることができますね。でも実際はそう簡単ではありません。
「株投資」をしようと思ったら、やはり経済の勉強をして、株価に影響を与える「要因」を知ることが大切です。
その会社がどんな仕事をしていて、今後順調に利益を上げられる会社なのかをリサーチし分析する必要があります。
単純に「良さそうな会社だから」という理由だけで株を買うのは大変危険です。
分析の仕方は、人それぞれに違います。
例えば、あなたが持っている株の株価が下がった。「もうこの会社の株はダメだ、早く売ってしまいたい」
と思い、株を売ろうとしたとしましょう。
ですが、他の人も同じように考えたなら、買ってくれる人はいないでしょう。
買い手を探している間に、どんどん値が下がり、大損するということもあります。
運よくその株が売れたら、損害をあまり出さずに済みますが、
その株が売れたということは、「この株は、また値を上げるぞ」と思った人がいる、ということなんです。
あなたは「この株を持っていたら損をする」と考えた。
しかし株を買った人は「この株を持っていれば儲かるぞ」と反対の考え方をしたわけです。
実際、どうなるかは結果が出ないとわかりませんが、このように人によって株に対する考え・分析が違うのです。
常に正しい判断ができて、株を売買できれば、儲けることはできます。ですがこれが難しい。
一朝一夕で、うまくいくようなものではないのです。
株を買うには?
終わりにかえて、株の売買についてのルールについてお話します。
株の取引はいつでもできるわけではありません。取引ができるのは、取引市場が開いている時間だけです。
日本の場合は、午前9時から午後3時まで、と決まっています。
また、株はどこで買うことができるようでしょうか?
「株式市場」で、株の売買が行われていますが、一般の人はそこでは買えません。
「株式市場」は、「卸売市場」のようなものです。私たちは魚や野菜を「卸売市場」では買えません。
魚屋さんや八百屋さんが「卸売市場」で買って、お店で私たちに売りますね。
この「魚屋さん」「八百屋さん」に当たるのが、「証券会社」です。
証券会社は株式市場で株を売買しています。私たちはその証券会社に売買の注文をします。
このように、株は基本的に証券会社を通して買う物なのです。
おしまい
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